早朝に、シドニー空港へ到着。日本を発つ時は、雨ながらもけっこう暖かかったが、それでも夏と冬とが逆の世界へ行くわけだからと思い、暑苦しいのをがまんして長そでのポロシャツで成田空港へ向かった。それは正解。それだけではなく、薄手のジャンパーを手荷物の中に入れておいたことも当たった。シドニー空港に着いて、まずそのジャンパーを出し、寒さをしのぐ。

 真冬ではないから、寒いというほどではないが、日本にいる時のような半そでいては、カゼをひくこと間違いなしという気候だ。

 頼んでいた携帯電話を空港で受け取り、メディア用のバスに乗って記者村へ。ちょうどカナダからも飛行機が到着しており、カナダの記者達と同乗となったが(日本の記者は私1人。もう大半の社の記者がシドニー入りしている模様)、彼らは全員とも記者村ではなく、市内のホテルに宿泊とのこと。それらを巡回して行くのだが、東京と変わらないような渋滞に加え、運転手はボランティアと見えてホテルの位置をよく知らず、地図を見ながら右往左往。

 いくつかのホテルを回って全員を降ろし、最後に残った私を記者村へ連れていってくれた時は、空港を出てから4時間も後のこと。疲れた、というのが実感だった。

 記者村は郊外の自然に囲まれた中にあり(写真上)、4部屋1セットのプレハブ住宅がいくつもある。部屋はシングルだが(写真左)、トイレ・シャワー室は4人で2つ。台所は各“住宅”に1つという構造。これで1泊朝食付きで1万7000円! つくづく、オリンピックというのは、いい商売だと思う。

 私が着いた時は、ほとんどの記者が取材で出かけているようで閑散としていたが、ひと寝入りし、夜にレストランへ行ってみると、いろんな国の記者がわんさかといる。嫌がおうでも、オリンピックへ来たことを実感する。

 日本の記者も何人か見かけたが、慣れたものですべてのことが手際いい。私は、といえば、右も左も分からず、ちょっぴり不安にかられる。

 部屋へ戻ろうと外へ出ると、日本とは違う星空がきれいに輝いている。十字に見える星の集団があり、「あれが南十字星かな? この季節にも見られるのかな?」と思いつつ、翌日からの取材活動への緊張が高まった。(続く)

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