シドニーへ来て2度目の休日。市内かビーチ観光でも考えていたけど、疲れていることもあって(そうでなくても?)12時すぎまで寝てしまう。4時からグレコローマン4階級の練習があるので、ビーチ行きはちょっと無理。計量のあと市内を観光しようと思い、計量場へ向かう。

 土曜日だけあって人ごみがすごく、思ったように動けないが、4時ちょっと前に計量会場に到着。高田裕司監督やTV解説の富山英明さん(写真右)ほかに会い、前日まで行われていた柔道の話などする。女子は世界チャンピオンといえでもカチカチで実力を出し切れなかったことを説明し、高田さんに「よくこのプレッシャーの中で金メダルを取れましたね」と話す。高田さんは「世界チャンピオンがプレッシャーを感じるなんて、おかしいんだよ」と一言。阿武のようにアトランタ五輪に出ていて世界選手権V2の選手ですら、緊張しっぱなしだったことを話すと、何とも言えない表情へ。ハートの弱いヤツは駄目んなんだ、と言いたげだ。

 抽選の結果、片山貴光(76kg級)はかなり厳しいリーグへ。「どうせなら、1試合目が強い方がいいですよ」と言う。一方、元木康年(63kg級)はニュージーランドなどと一緒で恵まれている。ウクライナが強敵だが、ここを勝ちぬけば、一気にベスト4。「(予選が実施されているので)弱いところなんて、どこもない。やるだけです」と言う。

 このあと、富山さんに誘われたので、市内観光をやめて、近くの水族館を見物。富山さん大学でスキューバダイビングもやっているとのことで、魚の種類とか物知りだ。改めて、自分の知識のなさを痛感。それでも、南半球特有の(というわけではないだろうが…)魚も多く、けっこう楽しめる。水槽の中を遊歩道が通っているところもあり(写真左)、ちょっとしたダイビング気分。スキューバダイビングを覚えて、海の中に入ってみたいと思う。

 ある水槽の前に行くと、ルスラン・キンチャゴフ(フリー76kg級=2年連続アジア王者)らウズベキスタンの3選手がいて、階段のようなところに座って無邪気な魚をのんびりと鑑賞している。富山さんは顔見知りなので、一言二言話し掛ける。フリーの計量は4日後。まだ緊張するには早いので、気分転換に来ているのだろう。「日本選手は、こんなことしないよ。選手村に閉じこもり切りじゃないかな」と言う。強豪からは、技術・戦術だけでなく、こうした試合前の緊張ほぐし方とかも吸収するべきだと思った。

 そのあと、ハーバーの見えるテラスで食事をご馳走になる。日本は、梅雨は雨が降り、夏は暑く、冬は寒いので、テラスで食事することは少ない。それだけに、ハーバーとその向こうの夜景(写真右)を見ながら食事することに、けっこう旅情を感じる。仕事でなく、観光でのんびりと来ることができれば、もっといいのだが…。

 その後、メーンプレスセンターへ行き、4階級の組み合わせをもらう。東京スポーツのK・T記者(神奈川大レスリング部OB)に連絡して、「富山さんが、シドニーにいるのにオレにあいさつがない、と怒っているぞ」と呼び出すと。すぐに駆けつけてきて、3つ指をついて迎える。さすがに礼儀正しい男だ(冗談ですよ)。しばし雑談のあと、記者村へ戻った。明日から競技開始。女子マラソンがあるので午前中は行けないが、午後からはレスリングの取材だ。(続く)

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