フリースタイルの初日だが、ボクシングでV3を狙うサボンの試合が、夜7時半から10時半にかけてあり、この取材を予定。朝早くから活動していては体が持たないと思い、午前の部はカットして睡眠を取らせてもらう。

 午後、新たな4階級の計量が始まる4時前に会場へ。抽選次第で、メダルの可能性が大きくあるかないかが決まるので、コーチは祈るようにして掲示板を見る。でも、この組み合わせ方式はちょっぴり変。ノーシードでやるのはレスリングの伝統だからいいとしても、同ブロックに世界で1番目に強い選手と2番目に強い人が入った場合、2番目に強い選手は順位なしなんておかしい。

 以前は、1、2位が初戦激突して2位が負けても、3位になる可能性はあった。それより前の勝ち点方式では、1敗しても優勝のチャンスがあったし、フォールが大きく評価された。勝ち点方式の復活を望みたい。

 計量会場では、前夜、銀メダルを取った永田克彦がいた。試合のあとからテレビ出演が相次ぎ、銀メダルを取った実感が湧いてきたという。見知らぬ人から「一緒に写真に写ってください」と頼まれ、ちょっとしたスターのよう。銀メダルは日本オリンピック委員会から200万円、日本レスリング協会から500万円の報奨金が出る。使い道を聞いたら「半分は貯金、半分で車を一括払いで買いたい」と言う。そばにいた高田監督が「警察官があまりいいものを買うのは、よくない。みんな貯金しろ」と一言。

 試合は田南部力(写真左)、宮田和幸とも3回戦で敗れ、2選手ともこの日で終り。うまくいけばメダル、悪くても入賞を期待していたけど、20人に絞られている大会で勝ち続けるのは本当に大変だ。

 そのあとボクシング会場へ移動。隣でやっていたフェンシングが終ったので、間の壁を取り払い、1・5倍の広さへしてやっている。それで満員。地元の選手は1人も出ないのに、なぜ? 柔道のように日本やフランスのような強い国から来ている応援団ではなく、純粋なボクシング人気のようだ。豪州の審判員がレフェリーをやるとアナウンスされてはっきりした。大歓声が湧いたのだ。

 世界のどこでもでやっているスポーツは、サッカー、陸上、ボクシングだと言われる。ボクシング人気を再認識。サボン(写真左の青)は判定で勝って決勝へ進出。しかし左目の下をバッティングかパンチか分からないが傷つけた。カレリンと同じ33歳。偉業達成なるか? 決勝は30日だ。(続く)

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