4時間ぐっすり(?)寝たせいか、目覚めがいい。朝食をとって8時15分にはバス乗り場へ。レスリング会場のある展示場ホール直行のバスが8時30分に出るという。電車で行くと、バスから電車への乗り換えが、さらに駅から会場まで歩くので、バスに乗る。しかし失敗。渋滞はあまりなかったが、45分で着くはずだったのが1時間かかる。ぎりぎりで間に合ったのでよかったが、東西を問わずにバスは時間が読めない。

 さあ69kg級の和田貴広の登場。ウクライナが相手だ。1点を先制。さらに1点を取って2−0とするが、2−2へ追いつかれる。ここでアンクルホールドみたいな技にかかってしまって体が一回転。レフェリーは0ポイントだったが、ジャッジが1点。チャ−マンも同意して1点となった。ラスト18秒。和田は片足タックルにいき、あと一歩と攻めるが、惜しくもタイムアップ。悔いが残りそうな試合。モルダビアがウクライナを破れば、またチャンスが出てくるので、あきらめてはならない。

 しかし、どこともなしにやる気が失われていることに気がつく。眠くなってきた。アトランタ五輪のあとも、自分にとっての期待の一番手はずっと和田だった。やはり世界で通じる期間というのは長くはない。けがをだましながらここまで続けてくれたことに感謝しよう。

 その後、カレリンがロビーに現れる! ロシアのTV局のインタビューを受けている。バウトレビューのA・Y女史は少しだがロシア語を話せる。日本の記者達の期待を背に、果敢にインタビューを申し込んでくれる。カレリンは「5時に」と答えたという。どうやら、何らかの話は聞けそうだ。

 昼食は、共同通信の記者とA・Y女史とともに、南半球で一番魚がおいしいと言われる「フィッシュ・マーケット」でにぎり寿司を食べる。プレスセンターの売店から、コンビニで売っているようなパックの寿司は食べたが、こちらに来て初の日本食といっていい。米の味もまあまあ。その後、会場へ戻ると、睡眠不足が響いてか強烈な睡魔に襲われ、30分ほど、記者席のイスを独占してゴロン。オリンピックが終ったら、ぐっすり寝たい。

 4時半ころからカレリンを待つ。しかし、5時になって分かったのだが、NHKが独占インタビューを申し込んでおり、その時間が5時ということだった。カレリンとすれば、同じ日本人なんだから一緒に、という気持ちだったのだろう。しかしNHKはやんわりと“ウチの独占です”と言う。それなら、それが終った時を狙って話を聞こうとなり、マットの試合を注目しつつ、カレリンを待つ。

 Cマットでは、和田が負けたウクライナとモルダビアの試合。ここでモルダビアが勝てば、和田が生き返る。モルダビアが2点リードするも、第2ピリオドに入ってウクライナが3点を取り逆点。形勢不利だが、ラスト1分30秒くらいにタックル返しを決めて逆転。がんばれ、と祈りつつ、試合終了。和田が生き返った。5点以上取って3点以上の差をつけて勝たねばならないなど厳しいが、とにかくチャンスが出たのは大きい。

 約10分後、カレリンが出てくる。しかし「フィニッシュ」と言って取材拒否。朝日新聞が連れてきたロシア語の通訳を通じて必死に頼み込むが「今は話す準備ができていない」と言う。仕方ないのでNHKの人から、差し支えない範囲でコメントを聞く。こういう時は組織力がうらやましい。

 川合達夫(写真左)は残念ながら1−7の判定負け。途中、判定がおかしいところがあったが、6点差をつけられてしまってはプロテスト(書面抗議)はできない。まだ3回戦で勝てば、三つどもえになってチャンスがあるので、気持ちを切り替えて3回戦での健闘を祈る。(続く)

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