笹 原 正 三(ささはら・しょうぞう)



 1952年ヘルシンキ五輪で戦後初の金メダルを取ったレスリングだが、「偶然」で片付けられないためにも、伝統を引き継がねばならなかった。その重責を果たしたのがフェザー級の笹原正三だった。54年に東京で行われた世界選手権で圧倒的強さで優勝。

 その後も55年のワルシャワ国際大会、56年のワールドカップと優勝を重ね、得意技の「またさき」は世界にとどろいた。56年メルボルン五輪では、「金メダル間違いなし」というムード。このプレッシャーと他国からの研究の前に、5試合すべて判定勝ちという内容だったが、全国民の期待につぶされることなく、予定どおり金メダルを取った実力と精神力は、最大級の賛辞で語り継がれるべき殊勲だった。

 1989年4月から2003年3月まで日本協会の会長を務めた。


【生年月日、出身】1929年7月28日、山形県出身

【所 属】山形・山形商高〜中大

【全日本選手権成績】53年=優勝、54年=優勝、56年優勝(以上フリー・フェザー級)

【五輪・世界選手権成績】54年=優勝、56年メルボルン五輪優勝(以上フリー・フェザー級)

 

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