上 武 洋 次 郎(うえたけ・ようじろう)



 1964年東京五輪での“秘密兵器”となったのが、米国オクラホマ州立大に留学していた上武だった。いわゆる国際大会は1度も経験していないが、米国仕込みのスピーディーな技に期待が集まった。

 ふたを開けてみれば、国際大会未経験など全く問題なかった。決勝ではアクバシュ(トルコ)に1ポイントをリードされ、しかも左肩を半脱きゅうするアクシデントもあったが、最後のチャンスに捨て身のタックル。これで相手を横転させ2−1と劇的な逆転勝利。日本勢3個目の金メダルを獲得した。
 
 その後、1964〜66年に全米学生選手権(NCAA)で優勝。のちに全米学生レスリングの1960年代のベストレスラーに選ばれる活躍。メキシコ五輪でも、1階級上げてきた“怪物”アリエフ(ソ連)を退け、決勝のイラン戦では脱きゅうぐせが出て何度もポイントをリードされる苦戦をしいられたが、最後は引き分けに持ち込み、五輪二連覇を達成した。

【生年月日、出身】1943年1月12日、群馬県出身

【所 属】群馬・館林高〜早大〜米国オクラホマ州立大

【全日本選手権成績】64年=優勝、67年=優勝(以上フリー・バンタム級)

【五輪・世界選手権成績】64年東京五輪=優勝、68年メキシコ五輪=優勝(以上フリー・バンタム級)


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