伊調 千春(いちょう・ちはる)


 青森・八戸クラブでレスリングを始め、早くから女子に取り組んでいた京都・網野高校へ進学。98年全国女子高校生大会優勝。99年全日本女子選手権51kg2位と力をつけ、東洋大へ進んだ00年にJOC杯ジュニア選手権50kg級優勝。その後、世界女子ジュニア選手権同級でも勝った。しかし世界チャンピオンの坂本日登美の壁があって、シニアの世界選手権への道は閉ざされていた。01年はアジア選手権で優勝し、世界ジュニア選手権で2連覇と順調に力をつける。

 02年4月、強豪の中京女大へ入り直してさらに飛躍。02年に日本代表となって世界女子選手権へ出場し、惜しくも銀メダル。03年も日本代表権を獲得し、2度目の世界選手権で優勝できた。ひと足先に世界チャンピオンになっていた妹・馨に追いついた。

 2003年の全日本選手権は、五輪実施階級の48kg級へ階級を落とし、元世界チャンピオンや同年の日本代表選手を下して優勝。04年のジャパンクイーンズカップでは2位に終わったが、その後のアテネ五輪代表決定プレーオフで勝ってアテネ五輪代表へ。5月のアジア選手権で勝ったあと、アテネ五輪で銀メダルを獲得した。

 05年はジャパンクイーンズカップで勝ち、ワールドカップでも勝ったが、世界選手権代表決定プレーオフで負けて世界選手権への出場はならなかった。

 その後、再び48kg級へ落とし、05年全日本選手権と06年ジャパンビバレッジクイーンズカップに勝って世界選手権の代表権を獲得。ワールドカップで個人優勝したあと、世界選手権で2大会ぶり、48kg級では初の世界一へ。続くアジア大会でも勝ち、2006年度全日本選手権でも優勝。2007年は世界選手権でアテネ五輪決勝の相手にリベンジして優勝し、全日本選手権でも3連覇した。

 2008年はアジア選手権で優勝。北京五輪でアテネ五輪金メダリストを再び破ったものの、決勝で敗れて2大会連続の銀メダルに終わった。1年数か月の休養のあと、2009年全日本選手権51kg級に出場したが2位。2010年秋、引退は否定しながら、ロンドン五輪は狙わないことを明言した。

(以上、2010年12月現在)


【生年月日、出身】1981年10月6日、青森県出身

【身長】157cm

【所属】青森・八戸ク〜京都・網野高〜東洋大(中退)〜中京女大〜綜合警備保障

【コーチ】沢内和興、三村和人、栄和人

【レスリング歴】1986年〜

【全日本選手権成績】98年=3位(56kg級)、99年=2位、00年=3位、02年=優勝(以上51kg級)、03年=優勝、05年=優勝、06年=優勝、07年=優勝(以上48kg級)、09年=2位(51kg級)

【世界選手権成績】00年=優勝、01年=優勝(以上ジュニア50kg級)、02年=2位、03年=優勝(51kg級)、04年アテネ五輪=2位、06年=優勝、07年=優勝、08年北京五輪=2位(48kg級)

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