【特集】2010年全日本選手権 熱戦写真集(8)…男子フリースタイル55kg級 湯元進一−松永共広
【2011年2月9日】





 【男子フリースタイル55kg級 決勝】
湯元進一(青=自衛隊)○[2−0(1-0=2:05、TF6-0=1:23)]●松永共広(ALSOK)




 積極的に仕掛けても、ポイントにつなげられなければ勝利を手にすることは難しい。相手の攻撃をしのぎ、守りに守って訪れたワンチャンスをものにして勝つ選手もいる。しかし、統計があるわけではないが、常に仕掛けていた選手の方が、勝率がいいのではないだろうか。

 世界トップレベルの選手同士の決勝となった男子フリースタイル55kg級。第1ピリオドは0−0で終わったものの、2分間を通じて常にフェイントを仕掛け、相手を崩そうとしたのは湯元進一の方だった。そんな湯元に神様はクリンチの攻撃権を与え、湯元はこの好機を確実にものにした。先制した余裕のせいか、第2ピリオドはさらに積極的に仕掛け、タックルとアンクルホールドで3−0。さらに片足タックルから持ち上げて松永を場外に出し、6−0として勝負を決めた。

 「第1ピリオドの積極的な仕掛けが、勝利を引き寄せた」と表現したくなるような一戦。やはり、攻撃こそが勝利への道だ。もちろん、クリンチの攻防が逆だったら、第2ピリオドのテクニカルフォールはなかったと思われ、勝負は第3ピリオドにもつれた可能性もある。ほんのわずかの違いが、勝敗を分ける−。1ポイントをめぐる攻防こそが、レスリングの醍醐味だ。
(撮影=矢吹建夫) 《VTR》




お互いに決定力に欠けながら、湯元が常に仕掛けた。 0−0からのクリンチは攻撃となった湯元が制す。 第2ピリオドは湯元が片足タックルで先制。 間をおかずにアンクルホールドで加点。 最後は片足タックルから持ち上げて3点。


 

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