全日本女子チームがアジア大会前の最後の合宿スタート
【2010年11月11日】



 アジア大会(11月21〜26日、中国・広州)の日本代表4選手を含めた全日本女子チームが11月10日、東京・味の素トレーニングセンターで大会前最後の合宿をスタート。直前合宿ということで練習は朝1時間、午後2時間。短時間集中で疲れが残らないような合宿にする予定という。

 栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は、6日に都内で行われた日本選手団の壮行会にも出席し、日本オリンピック委員かからレスリングにかける期待をひしひしと感じたとのことで、「期待にこたえたい。金メダル4個を取る」と選手にゲキを入れた
(左写真)

 女子の各階級のエントリー選手が判明。出場相手を研究する段階でもある。アジア大会3連覇を目指す吉田沙保里(ALSOK=
左写真)の55kg級には、9月の世界選手権(ロシア・モスクワ)の59kg級で2位になった張藍(中国)がエントリーしてきた。しかし、吉田の世界選手権決勝の相手は前年の59kg級世界チャンピオンで、この選手を難なく下している。「(上の階級で闘っていた選手は)ちょっとは警戒しますよ」と言いながらも、余裕の表情。

 2002年に20歳になったばかりで初の世界一に輝いた吉田だが、今回エントリーした12選手の中では最年長であることも分かった。「いつの間にか私が一番上。若い選手の挑戦をしっかり受け止めます」と気合を入れた。

 2大会ぶりの優勝を目指す浜口京子(ジャパンビバレッジ)の72kg級には、2004年アテネ五輪銀メダルで、今年になってロシアから国籍を変えたグゼル・マニュロバ(カザフスタン)が参加する。浜口の休養明け第1戦となった昨年8月の「ポーランド・オープン」の3位決定戦で負けている相手だ。

 しかし、その時は「復帰したばかりで、体力などのコンディションが戻っていない段階」とのこと。この時の敗戦を引きずることはなさそう。「そのあと、しっかり練習して体力を戻してきた。あの時の自分と今の自分が違うことを証明し、勝ちます」と、アジア大会・選手権を合わせて7個目の金メダル獲得に意欲を見せた。

 48kg級の坂本日登美(自衛隊)は、最大のライバルが世界選手権3位の地元・中国の趙沙沙になりそう。世界選手権での対戦はなく、その時はじっくり見ることもなかったそうだが、帰国後、ビデオでしっかりと研究。「巻いてくるなど、やりづらそうな相手」との分析ができている。対策もしっかりねれそうで、「結婚してからの初めての大会。夫のため、コーチのため、妹のため、広州まで応援に来てくれる両親のため、残る期間をしっかり練習し、しっかり減量してマットへ上がりたい」と話した。

 63kg級の西牧未央(至学館大大学院)には、昨年の世界選手権(デンマーク・ヘルニング)の準決勝で勝ったイェレナ・シャリギナ(カザフスタン)が強敵となりそう。2008年ワールドカップでは負けている。しかし、デンマークの試合は最高の勝ち方でリベンジできたそうなので、自信を持って臨めそうだ
(左写真=アジア大会代表選手。左から吉田、坂本、西牧、浜口)

 日本オリンピック委員会(JOC)の役員としてすでに広州入りした高田裕司専務理事や久木留毅・男子強化委員からは「日本よりは暖かい」「選手村の近くに日本料理店がある」などの情報が寄せられている。アジア大会へ向けて、いよいよムードが高まりつつある日本チームだ。

 5日に来日したロシア・チームはこの日は休養日で、11日から練習に加わる。また、11日からの国際レスリング連盟主催のコーチ・クリニックに参加するため来日したオランダとドイツのコーチが、それぞれ1選手を連れてきており、この日から練習に加わった。合宿は16日まで。

 

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