国籍変更に新ルール導入…2年間出場停止はメジャー大会のみ
【2010年11月18日】



 選手が国籍を変えた場合の国際大会への出場規定に関し、国際レスリング連盟(FILA)が今年、新たな規定をつくっていたことが分かった。これまでは国籍を変更した場合、新しい国の選手としては2年間、国際大会に出場することができなかった。

 新ルールでは、その規定が適用されるのは五輪予選、五輪、世界選手権、ワールドカップ、学生選手権(ユニバーシアードを含む)、軍隊選手権・大会、大陸選手権・大会と限定され、それ以外の国際大会には適用されないという。

 今回のアジア大会の男子フリースタイル74kg級にウズベキスタンからエントリーしているラシド・クルバノフは、今年1月のゴールデンGP予選「ヤリギン国際大会」(ロシア)と2月の「デーブ・シュルツ国際大会」(米国)にロシア選手として出場しているが、上記の大会への出場となると2007年6月の欧州ジュニア選手権が最後。2年以上経過しているので、今回ウズベキスタンから出場することができる。FILAにも申請しており、9月6日に国籍変更が認められたという。

 女子72kg級でも、昨年7月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)にロシア選手として出場したグゼル・マニュロバ
(右写真)が、今年5月のアジア選手権でカザフスタン選手として出場、今回のアジア大会にもエントリーされている。同選手の上記メジャー大会の出場は2008年4月の欧州選手権が最後であり、今年のアジア選手権の段階で2年間を経過しているので、カザフスタン選手としての出場は違反ではなくなる。

 このルール下では、例えば2年間、世界選手権など上記大会のロシアの代表にはなれなかったが、その他の国際大会にはロシア選手として出ていた選手が、ある時に急に他国の選手として世界選手権などに出場することが可能になる。FILAに申請して認めてもらうことが必要など細かな規定はあるようで、「ロシアでダメ、翌月には他国で」とはならないようだが、国籍変更が簡単にできる旧ソ連間では、いくらでもルールの網を通り抜ける方法がありそう。

 

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