小田裕之(国士舘大)が銀、稲葉泰弘(警視庁)が銅…アジア大会第3日
【2010年11月24日】




 アジア競技大会レスリング競技第3日は11月23日、中国・広州の華工体育館で男子グレコローマン1階級、男子フリースタイル2階級が行われ、男子フリースタイル60kg級の小田裕之(国士舘大)が銀メダル、同55kg級の稲葉泰弘(警視庁)が銅メダルを獲得した(右写真:小田=左=と稲葉)

 60kg級の小田は1回戦で2008年北京五輪5位のバザール・バザルグルエフ(キルギス)を2ピリオドともクリンチの末に2−0で撃破。2回戦は北朝鮮選手を2−1で破り、準決勝は今年のアジア選手権3位のダウレン・ズマガジエフ(カザフスタン)を2−1で破って決勝へ進んだ。決勝は2009年アジア選手権2位のマンダクナラン・ガンゾリグ(モンゴル)と対戦し、第1ピリオドを取ったものの、第2ピリオドを取られ、第3ピリオドは逆転を狙った末にフォールで敗れた。

 55kg級の稲葉は1回戦でキルギス選手、2回戦でカザフスタン選手を破ったあと、準決勝で2009年世界王者のヤン・キョンイル(北朝鮮)と対戦。飛行機投げなどを防げず、2ピリオドともテクニカルフォールの0−2で敗れ、決勝への道を断たれた。3位決定戦はモンゴルの若手選手相手に2−0(1-0,3-0)で勝ち、銅メダルを手にした。

 男子グレコローマン120kg級の新庄寛和(自衛隊)は1回戦でダーメンダー・ダラル(インド)に0−2で黒星。ダラルが2回戦で敗れたため、敗者復活戦へ回ることなく終わった。

 男子グレコローマンはこの日で終了。日本は55kg級の長谷川恒平(福一漁業)の金メダルのほか、銀1個、銅2個を取り、前回ドーハ大会の「金1・銅2」を上回った。

 各選手の成績は下記の通り。




 ◎男子グレコローマン

 
【120kg級】 新庄寛和(自衛隊)       7位=13選手出場

■1回戦 ●[1−2(0-1,1-0,0-1)]Dharmender Dalal(インド)
 
《試合経過》第1〜3ピリオドともスタンド戦ではポイントなし。グラウンド戦は、第1ピリオドは新庄が攻め、第2ピリオドは相手が攻めて、ともに決まらず。第3ピリオドはボールピックアップの結果、新庄の攻撃へ。必死にガッツレンチを仕掛けたが、決まらなかった。

(ダラルが2回戦で敗れたため、敗者復活戦へは回れず)




 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】稲葉泰弘(警視庁)      3位=16選手出場

■1回戦 ○[2−0(2-0,4-1)]Nurlan makenaliev(キルギス)
 
《試合経過》第1ピリオド、0−0で進んだあと、1分27秒に稲葉がタックルで1点。1分38秒にもタックルを決めて2−0とした。第2ピリオドは17秒にタックルを決め、40秒にもくぐってテークダウンをとり、アンクルホールドを連発して1分9秒の時点で4−0へ。1分39秒にくぐられて1点を失ったが、4−1で勝った。

■2回戦 ○[2−0(3-0,3-0)]Daulet Nyazbekov(カザフスタン)
 
《試合経過》第1ピリオド、稲葉が49秒にタックルを決め、1分2秒にもタックル。終盤はがぶって回り込み3−0へ。第2ピリオドも1分10秒にテークダウンを決めたあと、1分35秒、1分55秒にも1点ずつ加えた。

■準決勝 ●[0−2(TF0-6=1:29,TF0-6=2:00)]Yang Kyong Il(北朝鮮)
 
《試合経過》第1ピリオドの37秒、稲葉は左脚を取られて1失点。さらに飛行機投げを受け、こらえたが2失点。ガッツレンチを受け、5秒以上ニアフォールへ追い込まれて0−6。第2ピリオドも前半に飛行機投げを受けて3失点。もう一度飛行機投げを仕掛けられ、こらえたがテークダウンされ0−4。1分46秒には左脚を取られ、終了間際にも左足首を取られてテークダンを奪われ、終了とほぼ同時に0−6とされた。

■3位決定戦 ○[2−0(1-0,3-0)]Tsogtbaatar Damdinbazar (モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進んだあとの1分49秒、稲葉が相手に脚をかけて場外へ出して貴重な1点を獲得。第2ピリオドは中盤にタックルを仕掛け、こらえられたががぶり返しに移行して2点を先制。1分28表にもタックルで場外へ押し出し、3−0とした。




 
【60kg級】小田裕之(国士舘大)      2位=17選手出場

■1回戦 ○[2−0(1-0=2:04,3-0=2:05)]Bazar Bazarguruev(キルギス)
 
《試合経過》第1・2ピリオドとも、お互いに決定力がなく、2分間を0−0。第1ピリオドは小田が自らの攻撃権を引き、第2ピリオドは相手が小田の攻撃権を引き、ともにクリンチから小田がテークダウンを決めた。

■2回戦 ○[2−1(5-0,1-2,2-1)]Ri Jong Myong(北朝鮮)
 
《試合経過》第1ピリオド中盤、小田がくぐってテークダウンを決め、ガッツレンチ2回転で5−0。第2ピリオドは開始早々に回り込まれて1失点。終盤にタックルを仕掛けられ、こらえたが1点を失う。その直後にタックルで1点を返したが、1−2で敗れた。

 第3ピリオドは43秒、小田ががぶりからタックルに移行して1点を先制。しかし中盤、右足首を取られる。20秒間こらえたものの、最後はテークダウンを受け、1−1となって残り時間は22秒。小田はあきらめず、低いタックルを決めてラスト7秒に2−1と勝ち越し、振り切った。

■準決勝 ○[2−1(0-2,1-0、TF8-0=1:32)]Dauren Zhumagazyyev(カザフスタン)
 
《試合経過》第1ピリオド25秒、小田は右脚を取られてテークダウンを奪われ、ガッツレンチで回されて0−2。第2ピリオド、0−0のあと、1分30秒に小田がくぐってタックルを決め、1−0としてピリオドスコアをタイに持ち込んだ。

 第3ピリオドは34秒に小田がくぐりタックルで1点を先制。相手の押し出し狙いをかわして逆に押し倒して3点を取り、5秒押さえて1点を加え5−0へ。後半、相手は逆転を狙って足払いを仕掛けたが、小田がかわして逆に倒して3点獲得。テクニカルフォール勝ちした。

■決勝 ●[フォール、3P1:36(3-0=2:25,2-4,F1-7)]Mandakhnaran Ganzorig(モンゴル)
 
《試合経過》第1ピリオドは2分間を0−0で終わり、相手が選んだクリンチは小田が攻撃。スイッチを切られて立ち上がられたが、組みついてすくい投げ君に相手を投げて3点を取ってこのピリオドを取った。第2ピリオドは25秒に右脚を取られてテークダウンを奪われ、場外際で返されて2失点。日本陣営はチャレンジのスポンジを投げたが、考えが変わったらしくすぐに撤回。小田は1分3秒と1分35秒にテークダウンを奪って追い上げたが、終了間際にバックを取られて2−4とされた。

 第3ピリオド、小田は41秒に右脚を取られ、こらえたものの1失点。アンクルホールドを2回転受けてしまい1−5と苦しい展開。1分20秒にバックを取り、逆転を狙ってリフト技を仕掛けたが、脚を取られて背中からマットへ。そのままフォールされてしまった。

 

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