16年ぶりのフリースタイル金! 伝統を復活させた66s級米満達弘(自衛隊)…アジア大会第4日
【2010年11月25日】




 アジア競技大会レスリング競技第4日は11月24日、中国・広州の華工体育館で男子フリースタイル3階級が行われ、66s級の米満達弘(自衛隊)が金メダル(右写真)、74s級の長島和幸が銀メダルを獲得した。日本がアジア大会の男子フリースタイルで金メダルを取ったのは、 1994年広島アジア大会の62kg級で和田貴広(現国士館大コーチ)が勝って以来16年ぶり

 2009年世界3位の米満は1回戦戦のキルギス戦と2回戦のインド戦を快勝すると、準決勝では2008年アジア選手権優勝のヤン・チュンソン(北朝鮮)と対戦。タックル合戦となって第1ピリオドは落としてしまうが、後半盛り返して1−2で勝って決勝に進出。2009年のアジア選手権で完敗している同年世界王者のメフディ・タガビ(イラン)の組み手を封じてストレートで快勝した。

 74s級の長島は出場15選手のうち唯一2回戦からのスタート。初戦でシリアの選手に圧勝すると、準決勝では2008年アジア選手権3位のゴンボドロジ・ドルチバーンチグ(モンゴル)に苦戦したが2−1と競り勝って決勝へ進んだ。国際大会初の決勝の舞台となったが、今年の世界選手権2位のサデフ・グーダルジ(イラン)にストレートで敗れて銀メダルだった。敗れはしたが、長島にとって国際大会で最高の成績となった。

 84s級の松本篤史(ALSOK)は初戦でパキスタンの選手に1−2で敗退。敗者復活戦にも回れずに終了となった。

 各試合結果は下記の通り。




 ◎男子フリースタイル

 
【66kg級】米満達弘(自衛隊)      優勝=16選手出場

■1回戦 ○[2−0(2-1,1-0)]Azat Donbaev(キルギス)
 
《試合経過》第1ピリオド22秒、バックを取られて1失点。ローリングはこらえてスタンドへ。1分6秒に両足タックルから1点。アンクルホールドで1点を追加し逆転した。第2ピリオドは、48秒に片足タックルから、バックを奪って1点。その後はしっかりと組み付いて相手の動きを封じた。

■2回戦 ○[2−0(3-0,3-0)]Pradeep Kumar(インド)
 
《試合経過》開始48秒に高速右足タックルで1点。1分28秒、左タックルから持ち上げ、ニアフォールで2点。第2ピリオド、52秒に右足を奪って落ち着いてテークダウン。浅いローリングを2度決めて3−0とした。

■準決勝 ○[2−1(0-1,3-0,2-0)]Yang chun song(北朝鮮)
 
《試合経過》第1ピリオド、けんかよつの状態で組む両者。1分55秒に右片足タックルからテークダウンを奪われ0−1で落とす。第2ピリオドの開始早々、米満は得意の両足タックル仕掛けるが、がっちりディフェンスされる。だが中盤に両足タックルが決まって3点をもぎ取って終了。第3ピリオド、米満が先に仕掛ける。30秒にくぐって右足を奪い、時間をかけてテークダウン。1分27秒にもタックルでテークダウンして2−0とした。

■決勝 ○[2−0(1-0,2-0)]Mehdi Taghavi(イラン)
 
《試合経過》第1ピリオドの立ち上がりは、熾烈な組み手争いで始まった。1分24秒、米満が満を持して右足タックルへ。時間をかけて1分41秒にバックを奪って貴重な1点をもぎ取った。第2ピリオドは、立ち上がりにバックを奪われたが、中盤にタックルで1点と追いつき、残り15秒で相手のタックルを潰してバックに回り、トドメを刺した。     




 【74kg級】長島和幸(クリナップ)      2位=15手出場

■1回戦 BYE

■2回戦 ○[2−0(TF6-0=?,4-0)]Mazen Kdmane(シリア)

 
《試合経過》 開始早々、相手の左腕をロックする長島。50秒に投げて3点。押さえ込むなどしてテクニカルフォールとした。第2ピリオド、同じように投げで相手を崩していく。第2ピリオドの50秒、相手がタックルに来たところを捕まえてタックルがかえしで2点。その後も2点を追加し、4−0で終了。

■準決勝 ○[(2-3,2-0,6-2)]Dorjvaanchig Gombodorj(モンゴル)
 
《試合経過》 第1ピリオドの54秒、場外へ押し出されそうになった長島は、上手く投げ技で対応。3点が一時入ったが、青がチャレンジし1点に修正された。リードを守りたい長島だが、直後に豪快な3点タックルを受けて1−3。ツーオンワンから押し出してワンポンコーションで2C−3としたが追いつかず。第2ピリオド、相手の反則で長島はワンポンコーションで1点を先制。さらに1点を追加して2−0。相手がラストのラッシュで場外際でタックルをしたが長島はがぶり返しで応戦。相手がそこに乗って2失点したが3−2でもぎ取る。第3ピリオドの1分30秒、相手の突進をかわしてバックを奪おうとする長島。こらえて起き上がってきた相手を長島はフォールの体勢へ。そのまま時間が来た。

■決勝 ●[0−2(0-1,0-3)-->]Sadegh Goudarzi(イラン)
 《試合経過》第1ピリオドの1分20秒、相手の組み手を嫌がって足が止まったところに、タックルを受けて1失点。第2ピリオドは、21秒に落とされてバックに回られ1失点。続けてローリングで0−3とされた。反撃の糸口をつかもうと、組み付いて大技を狙った長島だが、タイムアップとなった。      




 【84kg級】松本篤史(ALSOK)      8位=11選手出場

■1回戦 ●[2−1(0-1=2:06,2-0,0-1=2:05))]Muhammad Inam(パキスタン)
 
《試合経過》第1ピリオドは無得点で終了。ボールピックアップは、赤に出て松本はテークダウンを取られる。第2ピリオド開始早々、相手が投げてきたところを崩して1点。1分10秒、相手の片足を奪ってテークダウンで2−0と取り返す。第3ピリオドは最初から果敢にタックルを出す松本だが、ことごとくバックステップでかわされる。最後は得意の差しに切り替え、接近戦に持ち込んだが、得点ならず。延長戦はまたも赤。必死にタックル返しの態勢に持ち込むが、つぶされて失点してしまった。
 
(イナムが準決勝で敗れたため敗者復活へは回れず)  

 

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