2010年世界選手権 女子展望


48kg級 51kg級 55kg級 59kg級 63kg級 67kg級 72kg級


 【48kg級】

 世界チャンピオンのマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)は出産のため選手活動を休養。世界2位の欧州チャンピオン、ラリッサ・オーザク(ロシア=
右写真)が、1月のゴールデンGP予選「ヤリギン国際大会」、4月の欧州選手権、8月のポーランド・オープンを連覇するなど実力を見せているので、優勝候補の一人として考えられる。

 北京五輪金メダリストのキャロル・ヒュン(カナダ)は、その後の大会で勝ったり負けたり。圧倒的な強さはない。

 中国からは、北京五輪代表で昨年のアジア・チャンピオンのリ・シアオメイではなく、今年のアジア・チャンピオンのシャシャ・チャオ。優勝争いにからむか?

2006−10年主要国際大会成績(pdfファイル)



 【51kg級】
 昨年の世界チャンピオンのソフィア・マットソン(スウェーデン=
右写真)が、今年は欧州選手権とゴールデンGP決勝大会で優勝。8月のポーランド・オープンでも勝って絶好調。ワールドカップで全勝し、アジア選手権でも優勝したリ・フイ(中国)、世界ジュニア選手権55kg級で優勝した堀内優(日本)が三強を形成する状況。

 昨年世界2位のハン・クンオク(北朝鮮)は、今年のアジア選手権は3位に終わった。上位に食い込む力はあるか。

 欧州勢では、昨年世界3位で今年欧州3位のアレクサンドラ・コート(ウクライナ)、欧州2位のエステラ・ドブレ(ルーマニア)、ゴールデンGP決勝大会2位のザミラ・ラクマノフ(ロシア)らが実力を持っているが、優勝するにはインパクトに欠ける。

 2008年世界選手権5位のジェシカ・マクドナルド(カナダ)、米国代表のジェシカ・メディナ(カナダ)ら北米勢がどこまで踏ん張れるか。

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 【55kg級】
 五輪2度と合わせ10度目の世界一に挑む吉田沙保里(日本)を避けたのか。昨年の2位と3位の3選手がすべて59kg級にエントリー。今年のゴールデンGP決勝大会ででも勝ったナタリア・シニシン(ウクライナ)も階級を上げた。

 一方で、昨年の59kg級世界チャンピオンのユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン=
右写真)がこの階級に出場してくる。吉田の最大と敵となるか?

 中国代表は、今年のアジア選手権で松川知華子を破って優勝したヤン・センリアンが出場。アジアからは、昨年アジア選手権3位で、今年のゴールデンGP決勝大会で2位のアイム・アブディディナ(カザフスタン)も注意が必要だろう。

 米国は昨年に続いてタチアナ・パディーヤ。2008年世界3位の意地を見せるか。ロシアは常連のナタリア・ゴルツの代表落ち。2009年欧州ジュニア選手権優勝の若いマリア・グロバが出てくる。どこまで上位に食い込めるか。

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 【59kg級】
 昨年の世界チャンピオンのユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン)は55kg級へ。同国からは昨年55kg級2位で今年の欧州選手権優勝のソナ・アーマディが出場してくる。2008年世界チャンピオンの正田絢子(日本)とともに優勝候補の最右翼だろう。

 2005年世界2位で、今年のゴールデンGP決勝大会優勝のマリアンナ・サスティ(ハンガリー)はコンスタントに上位に食い込む選手。昨年の欧州チャンオンで今年のゴールデンGP決勝大会2位のヨハンナ・マットソン(スウェーデン)とともに優勝争いに食い込む力はありそう。

 中国は今年の世界ジュニア選手権優勝のラン・チャン。優勝争いに加われるか? 

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 【63kg級】
 昨年の世界チャンピオンの西牧未央(日本)は不出場で、ディフェンディング・チャンピオン不在の階級。しかし、代わって出場する北京五輪までに7度の世界一を重ねた伊調馨(日本)が優勝候補の最右翼であることは言うまでもない。

 対抗は、昨年の欧州チャンピオンで今年のゴールデンGP決勝大会優勝のモニカ・ミチャリク(ポーランド)、2008・09年連続で世界2位のリュボフ・ボロソバ(ロシア=
右写真)ら。

 昨年世界7位ながら、2年連続でパンアメリカン選手権を制したエレナ・ピロジコフ(米国)、アジア選手権優勝のパク・サンエウン(韓国)らに上位を狙う力がありそう。

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 【67kg級】
 2008年北京五輪63kg級に出場し、2008・09年に連続で世界選手権優勝のマルティン・ダグレニエ(カナダ=右写真)が優勝候補の筆頭。正式に67kg級に上げたもようのエレナ・シャリギナ(カザフスタン)は、ゴールデンGP決勝大会で新海真美(日本)を破って優勝している。新階級で一気に優勝できるか。

 北京五輪63kg級2位のアレナ・カルタショバ(ロシア)も、この階級に上げ、ロシアの国内選手権で優勝した。欧州選手権は3位。優勝争いに加わる力はあるだろう。

 昨年3位のイフェオマ・イヘアマチョ(ナイジェリア)、今年のW杯個人優勝のアラ・チェルカソバ(ウクライナ)らはどこまで食い込めるか。

 シャリギナ、新海以外のアジア勢は、モンゴルが昨年世界3位の選手ではなく、今年アジア選手権2位のオユンスレン・バングラグチョで、中国は国際大会で実績のないチェン・イン。どこまでやれるか? 米国代表は過去2度世界一になったことのあるクリスティ・デービス(旧姓マラノ)が出てくる。ベテランの味を発揮できるか。

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 【72kg級】
 世界選手権を3度制しているスタンカ・ズラテバ(ブルガリア)が、今年は欧州選手権、ゴールデンGP決勝大会、ポーランド・オープンと優勝を重ねており、やはり優勝候補だろう。だが北京五輪決勝や昨年の準決勝で勝てなかったり、今年1月の「ヤリギン国際大会」ででも負けているなど、決して鉄壁の強さではない。

 中国は昨年の世界チャンピオンのクイン・シアオキン
ではなく、今年のアジア選手権3位のリ・ダン。打倒ズラテバの実力はあるか?。

 2年ぶりの世界大会となる2008年北京五輪3位の浜口京子(日本)、2008年世界3位のオヘネワ・アクフォ(カナダ)、昨年世界3位のマイデル・ウンダ(スペイン)ら実績のある選手が意地を見せるか。

 カザフスタンは、ロシアから国籍を変えてアジア選手権で優勝したグゼル・マニュロバ(カザフスタン)ではなく、2007年世界選手権で浜口を破っているオルガ・ザニベコバ。

 ロシア代表は欧州2位のエカテリナ・ブキナ。ゴールデンGP決勝大会3位のジェニー・フランソン(スウェーデン)とともに若手成長株だけに、一気に上位に食い込む可能性はある。

2006−10年主要国際大会成績(pdfファイル)

 

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