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稲葉泰弘(警視庁)が銀メダル獲得…アジア選手権第1日
【2011年5月20日】




【タシュケント(ウズベキスタン)、増渕由気子】アジア選手権は5月19日、当地で開幕。男子フリースタイルの55s級から84s級までの5階級が行われ、昨年の世界&アジア大会3位の稲葉泰弘(警視庁)が銀メダルを獲得した(右写真)

 稲葉は得意の組み手を生かして決勝に進出。アジア大会の準決勝で負けている2009年世界王者のヤン・キョンイル(北朝鮮)と決勝で対決したが2−1で敗退。リベンジは果たせなかったものの、世界の公式戦で3大会連続の安定した力を見せた。

 60s級の高塚紀行(自衛隊)は、右足のけがにより減量は通ったあと、初戦で棄権する可能性もあったが(不出場だと世界選手権の出場枠がなくなるため)、通常通りにマットへ。3位決定戦へ進んだものの、結果は5位だった。

 66s級の小島豪臣(K-POWERS)は2006年12月のアジア大会以来の海外公式戦。2回戦でクリンチの攻防で反則負けとなってしまい、敗者復活戦へ回ったが、3位決定戦を勝ち抜けず5位になった。

 フリースタイル74s級の高橋龍太(自衛隊)と84s級の松本真也(警視庁)は、2回戦で敗退し、敗者復活もなかった。

 大会結果は以下のとおり。


◎男子フリースタイル

【55kg級】稲葉泰弘(警視庁)  2位=16選手出場

1回戦 ○[2−0(TF6-0,TF6-0)]Gavhar Istodakov(タジギスタン)
 《試合経過》 35秒、両足タックルで1点。さらに1点を追加し、1分25秒再びタックルからローリングで加点し、6−0とテクニカルフォール。第2ピリオドも足を使って動く稲葉。21秒に3点タックル。1分すぎにタックルからニアフォールなどで再びテクニカルフォールとした。

2回戦 ○[2−0(1-0,4-2)]Tsogtbaatar Damdinbazar(モンゴル)
 《試合経過》1分すぎにタックルで1点を獲得。第2ピリオドは前半で場外ポイントで0−1とされるが、バックポインなどで3−1と逆転。その後も場外ポイントを重ねて、4−2とした。

準決勝 ○[2−1(0-1,1-0,3-3)]Lee Woo-ju(韓国)
 《試合経過》 1分20秒、落とされてバックポイントを奪われて第1ピリオドを落と第2ピリオド、1分40秒、バックポイントで貴重な1点をゲット。第3ピリオド、20秒バックポイントで1失点。タックルを切って投げきれずにバックポイントを献上。1分14秒、両足タックルで1失点。ラスト1点からこん身のローリングを決めて3−3となり、ラストポイントで追いついた稲葉が勝った。

決 勝 ●[1−2(0-1,1-0,0-5)]Yang Kyong Il(北朝鮮)
 《試合経過》第1ピリオドの序盤にタックルで1失点。第2ピリオドは、終了間際に稲葉がタックルで1−0とリードを奪い、試合を振り出しに戻すが、第3ピリオドの主導権は常にヤンに握られ0−5と大差で敗れた。



【60kg級】高塚紀行(自衛隊)  5位=14選手出場


1回戦 ○[2−0(2-0,4-1)]Farkhodi Usmonzoda(タジギスタン)
 《試合経過》 序盤からがっちりと組み合って、そのまま相手を場外へ押し出して1点。すぐに、両足タックルでテークダウンで2点目をゲット。第2ピリオドは、1点を先制されるも、タックルからテークダウンで1点。再びタックルで1点。最後は、相手ががぶってきたところをカウンターで抑えて2点。4−1で終えた。

2回戦 ○[2−1(1-5,2-0,2-1)]Bakhram Ermatov(ウズベキスタン)
 《試合経過》1分すぎにタックルで1点を獲得。第2ピリオドは前半で場外ポイントで0−1とされるが、バックポインなどで3−1と逆転。その後も場外ポイントを重ねて、4−2とした。

準決勝 ●[1−2(1-1,0-1,0-2)]Mostafa Ghadir Aghajaniozonbalagh(イラン)
 《試合経過》 第1ピリオドは、序盤に失点するも、後半に追いついてラストポイントで高塚が獲得。第2ピリオドは残り20秒で相手がタックルを決めて1失点。第3ピリオドは、開始早々、バックポイントと終了間際に場外ポイントを取られて0−2で敗退。

3決戦 ●[0−2(0-1,0-1)]Ri Jong Myong(北朝鮮)
 《試合経過》第1ピリオド開始16秒で、横に着かれてバックポイントを許して0−1。しっかり組み合って前に出る高塚だが、ポイントは奪えず。第2ピリオドも互いに決め手がなく、クリンチになり、北朝鮮が優先権を生かして勝負を決めた。



【66kg級】小島豪臣(K-POWERS)  5位=13選手出場


1回戦 ○[2−0(5-0,3-2)]Shaikhouni Mohamedokman(シリア)
 《試合経過》 序盤からしっかりと組み合う小島。果敢にタックルにも挑戦する。1分14秒、豪快な腰投げで3点。そこからローリングで2点を奪う。大技に会場から拍手。第2ピリオド19秒、相手の飛行機投げでしりもちをつき1失点。1分、左タックルからバックポイントを奪って1点。ローリングで2点追加。後半、1点を奪われるがそのまま逃げ切った。

2回戦 ●[1−2(TF0-7,3-2,0-1)]Yang Chun song(北朝鮮)
 《試合経過》開始30秒、小島はバックポイントを許すと、腕を決められてローリング地獄で0−7とテクニカルフォールで落とす。第2ピリオドは、小島は1分過ぎに腰投げで3点。2点を返されるが3−2で競り勝つ。第3ピリオドはクリンチ勝負となり、優先権は小島に出た。北朝鮮は組ませないように体を「くの字」に曲げるが、小島が積極的に組に行ってないとみなされて、失格まけとなった。

敗復戦 ○[2−1(2-2,4-2,5-0)]Zhou Shengyin(中国)
 《試合経過》 第1ピリオドは2−2のラストポイントで中国。第2ピリオドは、小島がタックルなどで3点のリードを奪った。後半、中国が反撃し小島ともつれながら場外へ。審判は場外の1点を中国に与えたが、中国は技のポイントもあるとしチャレンジ。だが、失敗に終わって4−1で終えた。第3ピリオドは、開始20秒で小島が左タックルで1点。さらにタックルで1点を追加し優位に試合を進める。最後は中国が無理に仕掛けたところをニアフォールして5−0と大差で勝った。

3決戦 ●[0−2(0-1,0-1)]Innokenti Innokentev(キルギス)
 《試合経過》 第1ピリオド、相手の指が小島の目を直撃し試合中断。その後注意を受けるキルギスだが、スタイルは変えず。嫌がる小島だが自分のペースに持ち込めず、ラスト10秒でバックを奪われて痛恨の1失点。第2ピリオド、相変わらず相手は手を振り回し、今度は小島の顔をはたいてしまう。再び注意が与えられたが、コーションまでには至らず。第1ピリオドと同じように終盤に勝負をしかけられ、小島は場外へ押し倒されてしまった。


【74kg級】高橋龍太(自衛隊)  13選手出場


1回戦 ○[2−0(2-0,1-0)]Adnan Mazenkdane(シリア)
 《試合経過》 第1ピリオドの50秒に場外ポイントで1点。1分すぎにも、バックを奪って2−0とした。第2ピリオド、相手を落として左タックルで1点。執拗に左タックルを出し、相手に攻めの時間を与えずに勝利した。

2回戦 ●[2−0(1-0,2-0)]Jo Kum chol(北朝鮮)
 《試合経過》 第1ピリオドの30秒、バックポイントで1失点。第2ピリオドも1点を失い、ラスト5秒にもタックルに入られて0−2でストレートで敗退した。
※敗者復活戦へ回れず

【84kg級】松本真也(警視庁)  10選手出場


1回戦  BYE

2回戦 ●[0−2(0-3、TF0-6)]Yusup Abdusalomov(タジギスタン)
 《試合経過》 第1ピリオドの序盤に2失点し、ラスト15秒にも片足タックルからバックを奪われる。第2ピリオドも果敢に前にでる松本だが、タックルをブロックされるとそのままがぶり返しなどで一気にフォール体勢へ。なんとかフォールは回避したがその時点で0−6のテクニカルフォールで勝負は決してしまった。
※敗者復活戦へ回れず

 

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