2011年全日本チーム記事一覧


「ヤリギン国際大会」出場の男女13選手がロシアへ向けて出発
【2011年1月26日】



 今冬の海外遠征の第一弾として、男子フリースタイル軽中量級の全日本チームと、2004年アテネ・2008年北京両五輪金メダリスト・伊調馨(ALSOK)を含む女子の選抜チームが1月26日、成田発のアエロフロート航空でロシア・クラスノヤルスクへ向けて出発した。28日から同地で行われるゴールデンGP予選「ヤリギン国際大会」に出場する(右写真、左下写真)

 男子フリースタイルの田南部力監督(警視庁)は「ロシアのトップレベルが出場する大会。(勝ち上がって)そうした選手と闘えるようにしてほしい」と話す。「強豪と闘うことが一番の目的?」との問いには、「そのうえで勝つ」と内容のある結果を注文した。2−0で勝つこともいいが、「第3ピリオドにもつれて、体力で勝つような勝ち方が、一番自信がつくし次に闘う時にも負けない」として、接戦であっても粘り勝つ闘いを望んだ。

 全日本王者として挑む北京五輪60kg級銅メダリストの湯元健一(ALSOK)は、この大会には初出場。和田貴広・前全日本コーチ(国士館大教)が闘っていた頃から「ロシア最高レベルの国際大会」として知っていた大会で、「世界選手権で勝ち抜くことより難しいとさえ言われる大会に出場できるのは、いい経験。緊張するけれど、今の自分の力がどのあたりにあるかが分かると思う」と言う。

 昨年の大会では、北京五輪で敗れたバシル・フェドロシン(ウクライナ=昨年世界2位)が決勝で小田裕之を破って優勝しており、今回の出場も予想される。世界選手権2連覇のバシク・クドコフ(ロシア)の出場も伝わっており、「やってみたい」と、リベンジすべき選手と世界最高峰に君臨する選手との対戦を望んだ。55kg級の弟・進一(自衛隊)との遠征になることに関しては、「間違いなくメダルを取るでしょう。負けられない」と話した。

 女子の藤川健治監督(自衛隊)は「伊調は今年の世界選手権へ向けて、大きなステップの大会になると思う。高校生3人は、最高にいい機会。負けを恐れずに闘い、負けても次につながる内容の試合をしてほしい。五輪金メダリストの海外での試合を見ることができ、行動をともにすることも大きい」と言う。クラスノヤルスクは最高気温が0度に達しない日も続き、体調管理も重要となってくる。「これも経験。自分でいいコンディションをつくれない選手では世界で勝てない」と話した
(右写真=左から宮原優、土性沙羅、村田夏南子の高校生トリオ)

 伊調は強化を主な目的とする冬の遠征に参加するのは2003年のスウェーデン・ポーランンド遠征以来。実績を十分につくっている現在、あえて極寒の地での大会に参加するのは、「力の外国選手と数多く闘いたいから」という理由から。3月のワールドカップ(フランス)にも参加予定で、世界V8(五輪2度を含む)の実績にもかかわらず、経験を積むことでさらなる強さを目指す。

 北京五輪で苦しめられたアレナ・カルタショバ(ロシア)の参加も予想され、「北京ではかなり苦しい闘いだったけど、あの時は最悪の状態だった。今の自分で闘ってみたい」と話した。

 遠征メンバーは下記の通り。なお、遠征予定だった男子フリースタイル74kg級の長島和幸(クリナップ)はインフルエンザのため、女子48kg級の阿部千波(愛知・至学館高)はひざの負傷ため、ともに参加を取りやめた。



 【男子監督】田南部力(警視庁)、【男子コーチ】井上謙二(自衛隊)
 【女子監督】藤川健治(自衛隊)、【女子コーチ】吉村祥子(エステティックTBC)
 【トレーナー】川崎淳(ハンズコーポレーション)
 【帯同審判】酒井久治(山梨・山梨学院大付高教)
 【男子選手】
  ▼55kg級 湯元進一(自衛隊)、稲葉泰弘(警視庁)
  ▼60kg級 湯元健一(ALSOK)、高塚紀行(自衛隊)
  ▼66kg級 米満達弘(自衛隊)、小島豪臣(K-POWERS)
  ▼74kg級 鈴木崇之(警視庁)

 【女子選手】
  ▼51kg級 宮原優(JOCアカデミー/東京・安部学院高)
  ▼55kg級 村田南夏子(JOCアカデミー/東京・安部学院高)
  ▼59kg級 島田佳代子(自衛隊)
  ▼63kg級 伊調馨(ALSOK)
  ▼67kg級 土性沙羅(愛知・至学館高)
  ▼72kg級 鈴木博恵(立命館大OG)

 

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