2011年全日本チーム記事一覧


ロシア遠征の男子フリースタイル全日本チームが帰国
【2011年2月2日】



 ロシア・クラスノヤルスクで行われたゴールデンGP予選「ヤリギン国際大会」に出場した男子フリースタイルの全日本チームが2月1日、成田空港着のアエロフロート航空で帰国した。

 昨年は「銀1・銅2」だったが、今年は66kg級の米満達弘(自衛隊)が銀メダル、55kg級の湯元進一(自衛隊)が銅メダルを取るにとどまり、メダルの数は下回ってしまった。
(左写真:湯元=左=と米満)

 田南部力監督(警視庁)は「メダルを取れなかった選手は、いいペースで試合を進めながら逆転負けするパターンだった。そのあたりを強化したい」と、全日本合宿で重点強化している終盤の攻防を引き続き強化していく必要性を挙げた。ずば抜けた強い選手が相手でなくとも、タイミングが合わずに負けているそうで、いろんなタイプの選手と闘って経験をつけることの重要性を訴えた。

 メダルを取った米満と湯元進、2008年北京五輪60kg級銅メダリストの湯元健一(ALSOK)は「研究されています。米満の決勝など、タックルを警戒して四つ組みで勝負してきた。研究されても、それを上回る闘いをしなければならない」と話した。

 今大会はアゼルバイジャンとウクライナが参加せず、ロシアを中心とした闘いとなったが、「どの階級も1番手から4番手くらいまでが同じくらいの実力。だれが世界選手権に出てくるか読めない。ロシア選手の研究をしっかりしたい」と、持ち帰った情報を十分に分析して世界選手権で役立たせたいという。

 銀メダルを取った米満は「今年初めての国際大会で、新鮮な気持ちでできた。決勝の相手(アダム・バティロフ=ロシア)からは徹底的に研究されていたと思うが、自分は相手のことを知らなかった。研究は必要。次に闘う時はしっかりと対策をたてて闘いたい」と言う。今大会に限らず、2009年世界3位&2010年アジア大会王者として各国の選手から研究されていることは間違いないが、「こちらも研究し、相手を想定しながらの練習を重ねたい」と話した。

 昨年のこの時期は負傷の治療で戦列を離れており、春になってからの始動。それでアジア大会金メダルで締めくくった。年明けから世界トップレベルと闘えた今年は、昨年に比べると「いい流れができたと思う」と言う。7月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)への出場は未定だが、「ぶっつけ本番では世界選手権で勝てない。国際経験を積んで外国選手との試合に慣れ、実力をアップさせていきたい」と気合を入れた。
(右写真:田南部監督、井上謙二コーチ=右側と選手)

 銅メダルの湯元進は、負けた相手が過去2戦2敗のジャマル・オタルスルタノフ(ロシア)だったことに納得がいかなかった様子。出場することが分かって、連敗にピリオドを打ちたくて闘いたかったそうだが、「対策がなってなかった。自分の弱いところを突かれてしまった」と反省した。ただ、勝った試合に関しては悪いところはなく、負けた3回戦以外は及第点のようだ。

 全体としてロシアの層の厚さを痛感。「日本の55kg級は層が厚いと言われているが、そんなもんじゃない。3番手、4番手が世界チャンピオンになってもおかしくないくらい。世界で勝つのは甘くはないことを感じた」と言う。いろんな課題を見つけ、ロシア対策に乗り出したいところだが、当面は4月末の全日本選抜選手権に全力を尽くし、世界選手権の日本代表権獲得を考えたいという。

 

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