2011年全日本チーム記事一覧


米国遠征の男子両スタイル日本選抜チームが帰国
【2011年2月7日】



 米国・コロラドスプリングズに遠征し、練習と大会出場をこなした男子両スタイルの日本選抜チームが2月6日、成田空港着の全日空で帰国した。

両スタイルが出場した「デーブ・シュルツ記念国際大会」では、グレコローマンで銀1、フリースタイルで銀2・銅2を獲得し、日本の実力を見せたと思われたが、佐藤満強化委員長(専大教)は「実力は上がっているのは間違いないが、オリンピックで金メダルを取る、重量級の場合はまずオリンピックに出る、という目標を達成するには、もっと意識を変えていかなければならない」と厳しく総括。選手のみならず、コーチにも反省することが多く見つかったそうで、「さらに厳しいトレーニングと考えた練習をやっていかなければならない」と話した。

 両スタイルでメダル5個という結果に関しても、「グレコローマンで1個、フリースタイルは55、60kg級で金メダルを取らなければならない」として、この程度の成績では満足できないという。今回の反省をもとに、今月16日からの全日本合宿(東京・味の素トレーニングセンター)で鍛え直したいという。
(右写真=メダルを取った選手。左から前田翔吾、藤本浩平、松永共広、松本篤史)

 強化委員長が結果を厳しく受け止めたためか、銀メダルを取ったフリースタイル60kg級の前田翔吾(ニューギン)と同66kg級の藤本浩平(警視庁)は厳しい言葉が続き、「反省点の多い遠征だった」という内容のコメント。しかし、昨年11月のアジア大会で惨敗した同84kg級の松本篤史(ALSOK)は、銅メダル獲得によって落ち込んだ気持ちをいくらかでも払しょくでき、国際大会で初のメダル獲得に復活の兆しをつかんだ様子。同じく銅メダルの55kg級の松永共広(ALSOK)は久しぶりのJAPANジャージでの遠征に「刺激があって気持ちが盛り上がった」と話し、それぞれ成果を口にした。

 なお、グレコローマン66kg級で銀メダルを取った岡本佑士(拓大)が現地で修行を続けるため、帰国しなかった。



 
■フリースタイル60kg級銀メダル・前田翔吾(ニューギン)「合格点をつけられる試合は1試合もなかった。徐々にでも上がっていけばいいのに、最後までできなかった。練習不足を実感しました。いい反省…、というか、悪い反省点ばかりが見つかりました。タックルひとつのひとつのレベルは上がっているのかもしれませんが、うまくかみ合ってくれない。練習で克服できないことがそのまま試合で出てしまった。細かいところで、いいところはあったので、それを少しずつつなげていきたい。試合数が多くできたのはよかった。(「全日本選手権の不振を、いくらかでも払しょくできた?」との問いに)全然できていません」

 
■同66kg級銀メダル・藤本浩平(警視庁)「勝った試合を含めて、タックルができなかったことと、自分の武器が出せなかったので、課題が多くできました。武器が少ないから攻めあぐむ、自信が持てないから攻められない、というパターンでした。内容がよくないので、メダルを取っても喜べません。(遠征中にロシア遠征組の成績を耳にして)米満、湯元(進)先輩とメダルを取って、拓大勢がいい成績だったので刺激になりました。前日には岡本(佑士)が銀メダル取ったし、拓大OBとして負けられないという気持ちは出せたと思います」

 
■同50kg級銅メダル・松永共広(ALSOK)「高地ということで最初は息が上がり、きつかったです。久しぶりに全日本チームとしての遠征に参加し、いい刺激になって、その点はよかったです。オリンピック前の気持ちを思い出しました。気持ちが盛り上がってくれたことで、参加してよかったです。技術的には、負けたロシアの選手からタックルを取り切れず、課題は残りました。(遠征中にロシア遠征組の湯元進一が銅メダルを取ったことを知り)日本選手のレベルが上がっているなあ、と感じました。みんなで切磋琢磨して頑張っていきたい。4月には勝負をかけます。今年の世界選手権に出場するつもりでいます」

 
■同84kg級銅メダル・松本篤史(ALSOK)「まだ修正する点はありますけど、大会を通じて自分のレスリングは結構できたかな、とは思います。国際大会で初めてのメダルなんです。3位決定戦まで残ったことはあるけど、メダルには手が届かなかった。少し自信になりました。(松本真也に勝ったことについて)第3ピリオド、自分の持ち味の差しと前に出るプレッシャーを使って勝つことができました。タックルでポイントは取れませんでしたので、次に闘う時はタックルで勝ちたい。(「アジア大会の不振を払しょくできた?」とのと問いに)少しは。緊張の度合いは違いますけど、アジア大会に比べると自分から攻撃しようという気持ちが前に出ていて、それが銅メダルにつながったのだと思います」

 

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