2011年全日本チーム記事一覧


【特集】「合格点としてしまうと、次がありません」…銅メダルの田中幸太郎(早大)
【2011年3月3日】



  学生選抜チームのブルガリア遠征で唯一の銅メダルを取ったフリースタイル66kg級の田中幸太郎(早大=右写真)は、「初めてのシニアの国際大会。計量の時に選手の体がジュニア(世界ジュニア選手権)の時と違った」と緊張したそうだが、一方で「どこまでできるか、という楽しみもあった」と言う。

 闘ってみて思いのほか通じ、メダルに手が届いたことで自信となったようだが、「合格点としてしまうと、満足してしまって次がなくなる。評価できる点はあっても、合格点とは言えない」と厳しく振り返り、「体をつくらなければならない」と欲の深いところを見せた。

 技術的には「1−0のあと追いつかれることが多い。1点取って勝っている状況での守りを強化したい。あと、ローシングル(低い片足タックル)の入ってからの処理」などの課題を挙げた。

 今年度を振り返ると、世界ジュニア選手権(7月、ハンガリー)で銀メダルを取ったものの、「シニア世代の全日本レベルの大会ではまだ勝てない。それではオリンピックにつながらない」と、あくまでも上を目指していることを強調。「全日本選手権で勝てなかったのが悔しい」と言う。

 「目標はリオデジャネイロではなく、ロンドン五輪?」との問いに、「はい。一歩一歩進み、今年は日本代表、全日本王者を目指します」ときっぱり−。

 世界ジュニア選手権でメダルを取った選手の多くは、その後の1、2年のうちに世界のトップレベルに顔を出している。今回の遠征に同行した小幡邦彦コーチ(山梨学院大コーチ)も、1999年に世界ジュニア選手権で銅メダルを取ったあと、同年の全日本選手権では本命を破って優勝。シドニー五輪へあと一歩と迫った。

 世界にはばたく選手は、ジュニアからシニアにかけて周囲が驚くほどの成長を遂げるもの。シニアで初のメダルを手にした田中の今年の活躍が期待される。

 

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