2011年全日本チーム記事一覧


斎川哲克(両毛ヤクルト販売)が銅メダル…ハンガリーGP第1日
【2011年3月6日】



 【ソンバトヘイ(ハンガリー)】男子グレコローマンのゴールデン・グランプリ予選「ハンガリー・グランプリ」第1日は3月5日、4階級が行われ、84kg級の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)が2回戦で右手親指を骨折しながらも奮戦し、昨年のアジア大会銅メダリストのアルハズール・オズディエフ(カザフスタン)を破るなどして銅メダルを獲得した(右写真)

 斎川の国際大会のメダル獲得は昨年5月のアジア選手権(インド)の銀メダル以来。その時はオズディエフに勝っており、アジア大会の銅メダリストが相手とはいえ、自信たっぷりの試合を展開した。

 74kg級の金久保武大(マイ・スポーツ・ハウス)は初戦の2回戦でトルコのオリンピック代表に黒星。一度返してリードしたものの、逆転され、第2ピリオドは危険を覚悟で攻撃したものの、力及ばなかった。
(右写真=地元のテレビ局から注目された日本チーム)

 昨年の世界選手権60kg級銀メダリストの松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)は右足首のけがのため棄権。大会のあとのハンガリーでの合宿はできる範囲でトレーニングをやるという。

各選手の成績は下記の通り。(文・撮影=ビル・メイ)


《74kg級・金久保》
       

《84kg級・斎川哲克》
       
       




 
【60kg級】松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)   棄権

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【74kg級】金久保武大(マイ・スポーツ・ハウス)    29選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ●[フォール、2P1:48(2-2L,F0-4)]Seref Tuefenk(トルコ)
 
《試合経過》第1ピリオドは0−0。赤の金久保はグラウンドの攻撃となり、がぶり返しのような技でトルコの北京五輪代表から2点を取ったものの、相手が乗ってきて2−2となり、ラスト・ポイントでトルコが先制。第2ピリオドは金久保が押し出されて0−1。グラウンドでは、攻撃するために一度立ち上がったものの、背中から落とされて、そのままフォール負け。

 相手は準々決勝でアジア・ジュニア王者に負け、金久保は敗者復活戦に回れなかった。

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【84kg級】斎川哲克(両毛ヤクルト販売)   3位=26選手出場

1回戦 ○[2−1(1-0,0-1,2-0)]Laszlo Antunovics(ハンガリー)
 
《試合経過》第1、2ピリオドともスタンドのポイントはともになし。第1、2ピリオドのグラウンドの攻防が同じ展開となって、ピリオドスコアは1−1。第3ピリオドも0−0で、ボール・ピックアップの結果、斎川の攻撃。開始23秒で世界学生選手権7位の選手にローリングをを決めて勝利を手にした。

2回戦 ●[0−2(0-1,1-1L)]Nenad Zugaj(クロアチア)
 
《試合経過》相手は昨年世界3位の選手。第1ピリオドの斎川のグラウンド攻撃は返すことができずに0−1。第2ピリオド、スタンドで積極的に攻めて48秒にバックに回って1−0としたものの、スタンドのあと相手もゴービハインドして1−1。グラウンドではポイントがなく、ラスト・ポイントによってこのピリオドを落とした。

 試合途中、相手を少し持ち上げて技を仕掛けた際、右手親指を変な形でマットに着けてしまい、この日の試合とあと近くの病院でレントゲン検査の結果、骨折していたことが判明した。

敗者復活戦1 ○[2−1(1-0,0-1,2-0)]Zhanarbek Kabdolov(カザフスタン)
 《試合経過》2009年アジア・ジュニア3位の相手対して、第1、2ピリオドともグラウンド戦の攻防へ。第1ピリオド、斎川が相手のローリングに対してステップ・オーバーのカウンターで先制。しかし、第2ピリオド、攻撃でグリップを取れず、相手を返すことができずにピリオドスコアは1−1。

 第3ピリオド、ボール・ピックアップは斎川の攻撃。グリップを取り、ローリングを掛けて、止められたような瞬間があったものの、返して2−0で勝った。

敗者復活戦2 ○[2−1(0-1,1-0,3B-3)]Alhazur Ozdiyev(カザフスタン)
 
《試合経過》広州アジア大会3位の選手に対して、第1ピリオド、斎川はパーテールポジションからの攻撃を返せずに先制された。第2ピリオドに俵返しのリフトをされ、相手が足を掛けて大内狩りみたいな技で倒された。審判は斎川が脚を使ったとして2点のコーション(警告)・ペナルティー。日本陣営はチャレンジし、カザフスタンの方が足を使ったとして0ポイントへ。斎川は生き返り、ピリオドの残る時間を流して、ピリオドスコアは1−1。

 第3ピリオド、投げ合いになって斎川が下となってしまって0−1。斎川は必死に攻めて、その後も2度投げ合いがあり、2度とも場外のポイントになって0−3リードをされて苦しい展開。しかし、パーテールポジションから斎川が立ち上がり、また投げを掛けると、相手が背中からマットに落ちて3−3へ。ビッグ・ポイントで斎川が逆転勝ち。

 3点リードをされたことで、斎川は「やるしかない」と思ったようで、「コーチから(相手が)バテバテと言われ、私もそう思って」と、必死の攻めを続けて気迫で勝った試合だった。

3位決定戦 ○[2−09(2-0,1-0)]Jim Pettersson(スウェーデン)
 
《試合経過》スェーデンのベテランに対して、斎川が危なげないレスリングを見せた。第1ピリオドのパーテールポジションでローリングを決めて2−0。第2ピリオドの防御は守り切って銅メダルを手にした。

 

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