2011年全日本チーム記事一覧


ウクライナとアゼルバイジャンが各3階級優勝…欧州選手権・女子
【2011年4月3日】



 【ドルトムント(ドイツ)、ビル・メイ記者】欧州選手権の女子は3月31日〜4月1日に当地で行われ、ウクライナとアゼルバイジャンが3階級ずつ優勝した。国別対抗得点は2位2選手、3位1選手がいたウクライナが勝った。もう1階級はスウェーデンが優勝。昨年の世界選手権で団体2位のロシアは優勝がなかった。

 ウクライナは51kg級で昨年世界ジュニア2位のユリア・ブラヒンヤ、63kg級で21歳の元世界ジュニア・チャンピオンのユリア・オスタプチュク、72kg級で31歳のベテラン、元67kg級世界チャンピオンのカテリナ・ブルミストロバが勝った。ブラヒンヤとオスタプチュクは初優勝、ブルミストロバは2年ぶりに4度目の欧州選手権優勝だが、72kg級では初優勝。

 48kg級は2008年北京五輪銅メダリストで2009年世界チャンピオンのマリア・スタドニク(アゼルバイジャン=
右写真)が、1月のヤリギン国際大会(ロシア)の覇者のウクライナホープ、クリスチナ・ダラヌチャ破って2年ぶりに3度目の優勝(2006年の大会でも勝っているが、ドーピング違反で優勝をはく奪されている)。出産でブランクのあと復帰し、今年2月のヤッシャ・ドク国際大会(トルコ)に続いての優勝を飾った。59kg級も2009年世界チャンピオンのユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン)が勝って欧州選手権初優勝。

 アゼルバイジャンからは、他に67kg級でナデシダ・セメンチョバ(アゼルバイジャン)が勝った。スタドニクとセメンチョバは元ウクライナの選手であり、両階級yとも決勝は“ウクライナ対決”だった。

 55kg級はイダ・テレス・ネレル(スウェーデン)が勝ち、2004年(55kg級)、05・07・08年(いずれも59kg級)に続き3年ぶり5度目の優勝。昨年51kg級で世界チャンピオンになっているソフィア・マットソン(スウェーデン)は55kg級へアップしており、世界選手権の代表争いが面白くなった。

 72kg級で6連覇を狙った世界V4のスタンカ・ズラテバ(ブルガリア=
左写真)は、ロシアの選手に投げられるなど不調。辛うじて準決勝に進んだものの、ブルミストロバに敗れた(右写真=赤がズラテバ、提供=Thomas Germann)。シメオン・ステレフ・コーチは「いろいろとプレッシャーを感じているようだ。世界チャンピオン4度、ヨーロッパ・チャンピオン5度だから、周囲から過剰な期待がかかり、プレッシャーが重いようだ。北京五輪の時がそうだった。まあ、イスタンブールではまで大丈夫だろうと思います」と話した。

 他に48kg級でイウォナ・マトコウスカ(ポーランド)は目覚ましい活躍。前年優勝のロリッサ・オーザク(ロシア)を破り、優勝したスタドニクと熱戦。もう一人のヤナ・スタドニク(英国)を破って銅メダルを獲得。勢いを見せた。

 各階級の成績は下記の通り。(写真もビル・メイ記者撮影)



 ◎女子

 【48kg級】=21選手出場
▼決 勝 Mariya Stadnyk(アゼルバイジャン)○[2−0(6-0=1:49,2-0)]●Kristina Daranutsa(ウクライナ)
▼3決戦 Iwona Matkowska(ポーランド)○[2−0(2-0,2-0)]●Yana Stadnik(英国)
▼3決戦 Cristina Croitoru(ルーマニア)○[2−0(3-0,6-0=1:49)]●Nina Hemmer(ドイツ)
▼準決勝 Stadnyk○[2−0(3-0=2:05,4-3)]●Matkowska
▼準決勝 Daranutsa○[2−1(1-0,7-2,4-1)]●Croitoru

 
【51kg級】=16選手出場
▼決 勝 Yuliya Blahinya(ウクライナ)○[2−1(0-5,6-1,4-0=2:06)]●Estera Dobre(ルーマニア)
▼3決戦 Natalia Budu(モルドバ)○[2−0(1-0,1-0=2:07)]●Mariya Ivanova(ベラルーシ)
▼3決戦 Ekaterina Krasnova(ロシア)○[フォール,2P=0:38(7-0=1:17,F4-0)]●Karalina Tjapko(ラトビア)
▼準決勝 Blahinya○[2−0(1-0=2:04,1x-1)]●Budu
▼準決勝 Dobre○[フォール,3P=1:07 (1-0,1-2,F4-0)]●Krasnova

 
【55kg級】=20選手出場
▼決 勝 Ida-Theres Nerell(スウェーデン)○[2−0(1-0,1x-1)]●Ludmila Cristea(モルドバ)
▼3決戦 Maria Gurova(ロシア)○[2−0(1-0,5-0)]●Ana Maria Paval(ルーマニア)
▼3決戦 Katarzyna Krawczyk(ポーランド)○[2−0(1x-1,1-0)]●Lenka Martinakova(チェコ)
▼準決勝 Nerell○[2−0(1-0=2:05,1-0=2:03)]●Gurova
▼準決勝 Cristea○[2−0(1-0,5-0)]●Martinakova

 
【59kg級】=17選手出場
▼決 勝 Yulia Ratkevich(アゼルバイジャン)○[フォール,2P=1:34 (3-0,F3-0)]●Ana Maria Paic(ルーマニア)
▼3決戦 Olga Butkevych(英国)○[2−0(4-0,3-1)]●Gabriella Sleisz(ハンガリー)
▼3決戦 Ganna Vasylenko(ウクライナ)○[2−0(0-1=2:05,2-1)]●Adeline Vescan(フランス)
▼準決勝 Ratkevich○[2−0(1-0,1-0)]●Butkevych
▼準決勝 Paic○[2−0(2-0,3-3=last)]●Vasylenko

 
【63kg級】=21選手出場
▼決 勝 Yulia Ostapchuk(ウクライナ)○[フォール,1P=1:24(F4-3)]●Taybe Yusein(ブルガリア)
▼3決戦 Inna Trazhukova (RUS)○[2−1(1-0,1-3,2-0)]●Marianna Sastin(ハンガリー)
▼3決戦 Olesya Zamula(アゼルバイジャン)○[フォール,3P=1:56(1-0,1-1x,F4-0)]●Laura Skujina(ラトビア)
▼準決勝 Yusein○[2−1(1-0=2:05,5-1,5-4)]●Sastin
▼準決勝 Ostapchuk○[2−1(0-1,1x-1,1-0)]●Zamula

 
【67kg級】=11選手出場
▼決 勝 Nadeshda Sementsova(アゼルバイジャン)○[2−0(1-0,1-0)]●Alina Makhynia(ウクライナ)
▼3決戦 Yvonne Englich(ドイツ)○[フォール,2P=0:27(3-1,F3-0)]●Aurora Fajardo-Prieto(スペイン)
▼3決戦 Hanna Savenia(ベラルーシ)○[2−1(0-1=2:05,1-0,1-0)]●Burcu Orskaya(トルコ)
▼準決勝 Makhynia○[2−1(3-0,2-3,2x-2=last)]●Englich
▼準決勝 Sementsova○[2−0(1-0,2-1)]●Savenia

 
【72kg級】=17選手出場
▼決 勝 Katerina Burmistrova(ウクライナ)○[2−0(1-0,1-0)]●Vasilisa Marzaliuk(ベラルーシ)
▼3決戦 Stanka Zlateva(ブルガリア)○[2−0(1-0,1-0)]●Cinthya Vescan(フランス)
▼3決戦 Agnieszka Wieszczek(ポーランド)○[2−1(0-1=2:14,4-0,6-0=2:00)]●Kristine Odrina(ラトビア)
▼準決勝 Burmistrova○[2−0(1-0=2:03,2-0)]●Zlateva
▼準決勝 Marzaliuk○[2−0(2-0,6-1)]●Odrina

 
【国別対抗得点】
[1]ウクライナ 59点(金3・銀2・銅2)
[2]アゼルバイジャン 43点(3−0−1)
[3]ルーマニア 32点(0−2−1)

 

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