2011年明治杯全日本選抜選手権記事一覧


【特集】全日本選抜選手権展望(4)…男子グレコローマン74kg級
【2011年4月15日】




 ◎男子グレコローマン74kg級(4月30日実施)

 昨年12月の全日本選手権は、優勝候補に挙がっていなかった伏兵の田村和男(ワセダクラブ=当時早大、
右写真)が、アジア大会2位の鶴巻宰(自衛隊)と世界選手権5位の金久保武大(ALSOK=当時マイ・スポーツ・ハウス)を破って優勝した。他に全日本社会人選手権84kg級優勝の角功介(自衛隊)も破った。1選手なら「まぐれ」で勝つこともあるかもしれないが、世界レベルの選手2人を含む強豪を破ったうえでの優勝なら、「まぐれ勝ち」ではあるまい。

 ここ数年の成績を見ると、2009年はほとんど勝っていないものの、2010年は白星が多くなっている。個人タイトルとは縁がなかったとはいえ、昨年10月の国体では、その約1ヶ月前に負けている学生王者の武富隆(当時早大)にリベンジするなど、着実に成長を遂げていたことがうかがえる。全日本王者となってから約4ヶ月の練習で、どんな飛躍を遂げているか。

 決勝で敗れた世界5位の金久保は
(左写真=青が金久保、VTR、一気にスターダムにのし上がったことによる心の緩みがあったかもしれない。つまづいたことによって初心に帰り、練習をしっかり積んでいれば、地力があるだけに巻き返すことは十分に予想される。

 2回戦で田村に敗れたアジア大会2位の鶴巻にも同じことが言える。負傷で昨年の夏場を棒に振り、やっと復帰したアジア大会から全日本選手権までの期間が短すぎたなどのハンディがあったことは事実。この冬で心身ともに万全のコンディションをつくっていれば、優勝候補の筆頭と考えてもおかしくない。

 3人を追うのは、全日本選手権3位の角、2008年全日本選抜選手権優勝の葛西直人の自衛隊勢。他に、国体で田村を破っている2005年世界選手権代表の岩崎裕樹(香川県協会)、田村に2連勝中の全日本大学グレコローマン選手権2位の渡部友章(クリナップ)もいて、田村に対して精神的な優位を持っているはず。王者・田村が初戦敗退という事態もありうる激戦階級だ。


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 《エントリー選手》

田村和男(早大)
岩崎裕樹(香川県協会)
金久保武大(ALSOK)
中村隆春(日体大)
鶴巻宰(自衛隊)
葛西直人(自衛隊)
角功介(自衛隊)
小森大祐(拓大)
香西順平(青山学院大)
北川幸一(松阪クラブ)
森川一樹(山梨学院大OB)
渡部友章(クリナップ)


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 《全日本選手権成績》
 ▼決勝
田村和男(早大)○[2−0(1-0,1-0)]●金久保武大(マイ・スポーツ・ハウス)

 ▼準決勝
田村和男(早大)○[2−0(2-0,1-0)]●角功介(自衛隊)
金久保武大(マイ・スポーツ・ハウス)○[2−0(1-0,3-1)]●岩崎裕樹(神奈川・高津養護学教)

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 《全日本王者・田村和男の最近の国内大会成績=グレコローマンのみ
 
【2010年全日本選手権】
決 勝 ○[2−0(1-0,1-0)]金久保武大(マイ・スポーツ・ハウス)
準決勝 ○[2−0(2-0,1-0)]角功介(自衛隊)
2回戦 ○[2−0(1-0,1-0)]鶴巻宰(自衛隊)
1回戦 ○[2−0(5-0,TF7-0=1:29)]北川幸一(松阪クラブ)

 
【2010年全日本大学グレコローマン選手権】
3決戦 ○[2−0(2-1,TF6-0=1:47)]山口高幸(徳山大)
準決勝 ●[1−2(0-2,1-0,0-1)]渡部友章(日体大)
3回戦 ○[2−0(2-0,3-0)]江藤公洋(専大)
2回戦 ○[2−0(4-0、TF6-0=0:58]寺田圭佑(日本文理大)
1回戦  BYE

 
【2010年国民体育大会】
準決勝 ●[1−2(0-1,2-0,0-1)]岩崎裕樹(香川・神奈川県立高津養護学教)
3回戦 ○[2−1(1-0,0-1,3-0)]武富隆(佐賀・早大)
2回戦 ○[2−1(1-3,6-1,2-1)]東泉恵二(栃木・栃木県警)
1回戦  BYE

 
【2010年全日本学生選手権】
決 勝 ●[判定]武富隆(早大)
準決勝 ○[判定]北村公平(早大)
3回戦 ○[判定]村上貴之(関大)
2回戦 ○[判定]香西順平(青山学院大)
1回戦 ○[判定]谷合海(徳山大)

 
【2009年全日本選手権】
1回戦 ●[1−2(1-0,0-1,0-1)]香西順平(青山学院大)

 
【2009年国民体育大会】
1回戦 ●[2−1(3-0,0-1,0-2)]角功介(自衛隊)

 
【2009年全日本学生選手権】
2回戦 ●[1−2(1-0,0-1,0-1)]渡部友章(日体大)
1回戦 ○[2−0(1-0,1-0)]福長大寿(青山学院大)

 
【2008年全日本選手権】
1回戦 ●[1−2(4-0,0-3,1-1L]長洞啓太(山梨学院大)

 

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