2011年明治杯全日本選抜選手権記事一覧


【特集】世界選手権代表決定、候補選手の声
【2011年4月30日】


(取材=増渕由気子、渋谷淳、川崎真依)



■男子グレコローマン55s級・長谷川恒平(福一漁業)
 (圧倒的な試合内容で貫録の4連覇)「今年の世界選手権からオリンピックのトライアルが始まるので、ようやくスタートラインに立った気持ちです。この冬は常に世界を意識して練習してきました。いかに90秒間のスタンドでポイントを取るか。そこに重点を置いて練習を重ねています。というのも、2年前の世界選手権では、グラウンドで相手の固いディフェンスを崩しきれなかったという経験があるからです。世界選手権ではまず5位以内に入ってオリンピックの出場枠を確保すること。男子の軽量級はどのクラスでもメダルを獲る実力があると思うので、その先頭に立てるようにがんばります」

■男子グレコローマン60s級・松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)
 (全日本選手権決勝で苦戦した倉本一真に2−0で勝利)「今年はオリンピックのトライアルの年で、(この大会は)一番重要な大会。内容よりも結果が大事だと思っていた。全日本選手権ではふがいない試合をしてしまったけど、(今大会は)ピリオドを取られなかったのは良かった。アジア大会からずっとけが続きで、思うような試合ができていなかったけど、最近は部分部分でできてきている。去年の世界選手権は銀メダルを取っているけど、今年取れなかったら意味がない。(世界選手権でのメダルを取って)12月の全日本選手権でオリンピック出場を決めたい。今後は、自分のスタイルをどこでも出せられるように、しっかり練習していきたい」

■男子グレコローマン66s級・岡本佑士(拓殖大ク)
 (初優勝で初の世界選手権出場を決める)「優勝すれば世界選手権に初めて出場できるとあって、練習にも力が入りました。キップを手にできてとてもうれしいです。決勝戦は足が動いたし、グラウンドでも得意の形が出ました。世界選手権では今ある力を全部出したいです。最終目標はもちろんオリンピックへのキップです。12月の全日本選手権にはみんな(今回負傷欠場の笹本睦や藤村義など)出てくると思うので、そこで勝って真のチャンピオンと呼ばれるように頑張りたいです」

■男子グレコローマン96s級・北村克哉(ドン・キホーテ)
 (足を負傷しながら3年連続世界選手権出場を達成)「グラウンドでの攻撃力が少し足りないとは思いましたが、ベストを尽くしました。腰の故障があって冬は海外遠征を辞退し、国内で調整をしました。なんとかベストの状態で試合に臨むことができたと思います。世界選手権では、やはりベストの体調を作ることが第一の目標です。腰のリハビリ、今日少し痛めてしまった左の足首を完治させ、世界の舞台で最善を尽くしたいと思っています」

■男子グレコローマン120kg級・新庄寛和(自衛隊)
 (大学1年生の前川勝利に不覚を喫するも、プレーオフで勝利)「本当は一発で(世界選手権出場を)決めたかったけど、前川戦は自分の思うようなレスリングができず、相手のペースに合わせてしまい、いいところがなかった。その反省を生かし、プレーオフでは勝つことができた。若い選手にはまだまだ負けられない。世界選手権には3回出ているが、まだ思うような結果を残していない。今度の世界選手権でオリンピックにつながる試合をしたい。練習ではスタンドとかを強化していきたい。」

■男子フリースタイル55kg級・湯元進一(自衛隊)
 (初戦で富岡直希に敗れるも、プレーオフで勝利)「初戦でふがいない試合をしてしまった。多くの人からの力強い言葉を受けてこのプレーオフを勝ち取ることができてホッとしている。拓大時代の恩師の西口部長に『大事に試合をすすめようとしていないか』と言われ、自衛隊の伊藤監督には、『外に出て気持ちを切り替えてこい』と言われました。(兄の)健一が優勝して、(悔しくて)絶対に勝つと思った。兄弟で世界選手権に出場するのは、うきうき楽しみ」

■男子フリースタイル60kg級・湯元健一(ALSOK)
 (3試合を1失点で勝ち抜いて優勝)「とりあえずホッとしている。クリンチになりたくなかったので、決勝の第1ピリオドのクリンチを悔やんでいます。北京五輪の時と同じように、1年前に世界選手権に行ってメダルに挑戦できるのはうれしいです。(今大会が)終わったと同時に、五輪への挑戦が始まったなという気分です。4月5日に男の子が生まれて『琥太郎』といいます。まずは子供にメダルをかけてあげたい」

■男子フリースタイル96s級・磯川孝生(徳山大職)
 (他を寄せ付けず4連覇を達成)「満点の内容とはいきませんが、勝って世界選手権のキップが取れたことは収穫です。大会を通じて失点はなかったですが、もっとアグレッシブに展開するレスリングをしたかったので、そこは反省点です。世界選手権ではオリンピックの出場権を獲得すること(5位以内)が最大の目標。課題は山積みですが、2分3ラウンド持続するスタミナをはじめ、体力をワンランク上げ、外国人選手との対戦を常に意識してトレーニングしていくつもりです。今年は山口国体があるので、応援してくれる県民の期待に応えられるようにがんばりたいと思います」。

■男子フリースタイル120kg級・荒木田進謙(専大クラブ)
 (準決勝、決勝は第1ピリオドのフォール勝ち)「ロンドンへの道が少し開けました。初戦に1ポイントを取られて焦ったけど、いつもの練習どおりにやれば勝てると思って試合をしました。(昨年の120s級世界選手権代表の)下中選手が96s級に階級変更し、下中先輩から『お前が優勝しろ』と言われていたので、気合をいれてやりました。東日本大震災で、八戸の実家に被害はありませんでしたが、知り合いの家が流されたりしましたので、自分が優勝して新聞に載って、頑張ることで勇気を与えたいなと思いました。昨年の千葉国体で痛めた内足のじんたいは完治していますが、そこをかばって、腱鞘炎になってしまい、走りこめていなかった。世界選手権に向けて下半身から作り直します」

■女子59s級・齋藤貴子(自衛隊)
 (相手のチャレンジの結果、苦境に立たされるも、逆転勝ちで世界選手権キップを獲得)「全日本選手権の時は勝ってうれしかったけど、今回は勝ってほっとした気持ちです。(一時リードを奪われた決勝第3ピリオドは)いつも自信がないんですけど、今日はリードを許しても思ったよりガクッとしないで、気持ちを切り替えて新たにポイントを取っていこうと思えました。(3月のワールドカップで)世界チャンピオンから1ピリオド取れたことが自信になっています。世界選手権の目標は優勝。まだ下がってしまうところがあるので、自信を持って前に出るレスリングをしていきたいです」



(以下、世界選手権代表候補選手)

■女子51kg級・志土地希果(至学館大)
(ジュニアクイーンズカップに続く優勝)「すごくうれしいです。世界選手権をかけた大会だったので全部攻めて勝てたので良かったです。決勝では監督には攻めろと言われたけど、緊張で少しためらって攻め切れなかったので、もっとどんどん攻められるように練習して、(世界選手権は)必ず自分が出たいです。」

■女子67kg級・土性沙羅(愛知・至学館高)
(全日本チャンピオンを破って初優勝)「点数を取られそうになったけど、粘れるようになった。これから合宿で走りこみとスパーリングを頑張りたいです。今月初めのジュニアクイーンズカップで優勝したことが自信になった。(ジュニアではタックルを決めてすぐフォールできるが)井上先輩はやはり取らせてくれなかった。世界選手権に出られるように合宿では、スパーリングで前に攻めてアピールしたい。(この階級は非五輪階級だが)ロンドン五輪は目指したいと思っています。階級をどう変更するかは未定です」

 

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