2011年明治杯全日本選抜選手権記事一覧


【特集】世界選手権代表決定選手の声
【2011年5月1日】


(取材=増渕由気子、渋谷淳、三次敏之)



■男子フリースタイル66s級・米満達弘(自衛隊)
 (第一人者として3連覇を達成)「今日は思った以上にいい動きができたと思います。今年はロシア遠征から帰ってきて左足首をけが(サッカーボールの上に乗ってしまった)してしまい、2月と3月はマットでの練習ができませんでした。この間、自衛隊のトレーナーの指導で、フィジカルトレーニングに集中して取り組み、その成果が出たと思います。スピードとバランスが良くなり、以前よりも試合中に息が上がらなくなったように感じます。もちろん今大会の優勝は通過点。目標は世界選手権で金メダルを獲ることです。勇気を持ってレスリングをすれば、どんな試合でも勝てると信じています」

■男子フリースタイル74s級・高橋龍太(自衛隊)
 (準決勝で全日本王者の長島和幸を下して初優勝。プレーオフでも長島に勝つ)「(プレーオフでは会心のフォール勝ち)。いつも弱気な攻めになってしまうので、先に取りにいくことを強く意識していました。長島選手とは何度も対戦していて互いに手の内は知っています。強気な姿勢が勝利につながったと思っています。(29歳にして初のビッグタイトル獲得は)もう年齢的にあとがない。そう開き直れた結果じゃないかと思います。今回の勝利は格別ではありますが、世界選手権に出るだけでは意味がありません。オリンピックの出場枠を獲得したい。長く勝てなかったのにずっと面倒を見てくれた自衛隊にも恩返しがしたい。持ち味はタックルです。世界選手権でも強気を忘れず早めのタックルを仕掛けていこうと思います」

■男子フリースタイル84kg級・松本真也(警視庁)
 (決勝を会心のフォールで勝って2年ぶりの世界選手権へ)「去年、世界選手権へ出られなかったので、その悔しさを晴らすことができた。組み合わせを見て、門間順選手か松本篤史選手が決勝へ上がってくると思っていた。どちらが上がってきても、勝つだけでした。2月に結婚したので、今回はどうしても勝ちたかった。世界選手権までに体力をしっかりつけて、五輪の出場枠を取りたい」

■男子グレコローマン74s級・金久保武大(ALSOK)
(プレーオフで全日本選手権決勝で敗れた田村和男を下し、2年連続の世界選手権出場を決める)「すごくうれしいです。やっとスタートラインに立ててほっとしていますが、これから始まるんだと思うと身が引き締まります。昨年の全日本選手権決勝では田村選手に勝てると思っていたのに、気持ちの弱い部分が出て負けました。今日まであの悔しさを忘れずに練習してきたので、リベンジできて良かったです。昨年の世界選手権は繰り上げで出場させてもらいましたが、今回は自分の力で出場権を獲得できました。世界選手権では100パーセントの力を出して前回(5位)を上回る成績を残したい。だれもが思うように早い段階でオリンピック出場を決めたいと思っています」

■男子グレコローマン84kg級・岡太一(自衛隊)
 (本戦で天野雅之に敗れながら、プレーオフで勝って世界選手権代表へ)「世界選手権で5位以内に入って五輪の切符を取りたい。初戦の天野戦では持ち上げの切りうまくいかなかった。負けたあと、その切り方を教わったので、プレーオフでは守ることができた。初戦で負けたあと、皆さんが「切り替えて頑張れ」といってくれた。「勝てるよ」との言葉に不安にもなったけど、いつもどおりの試合をすれば大丈夫だと思った。まだ、思うような攻めができていないが、世界で勝てるように頑張ります。2月のアメリカ遠征で左ひじを脱臼して、今でも痛い」

■女子48kg級・坂本日登美(自衛隊)
 (48kg級として2年連続の世界選手権出場へ)優勝してホッとしている。今回は足を触られることが多く、攻めは良かったけれど、守りが完ぺきではなかった。出来としては50点くらいの試合でした。アジア大会の負けから少しずつ自信を取り戻しているけど、日本で点を取られると、まだまだだな、と思う。100パーセントの自信をつけられるように、頑張らなければならない。(課題だった減量について)51s級のときの減量と変わらないようにでき、順調です。世界選手権は、昨年以上に厳しい戦いになると思う。必ず優勝して、ロンドン五輪を今年中に決めたい。実家の八戸は、震災での津波の被害はありませんでしたが、父親の職場が被害に遭い、ショックだった」

■女子55kg級・吉田沙保里(ALSOK)
 (3試合に快勝して11度目の世界大会出場を決める)「誰が相手でも油断とけがをしないようにしたいです。(若手が育っているが)日本で優勝しないと代表になれないので、勝ててよかったと思います。決勝でもフォールしないといけないですね。村田選手に関しては、右を取られると柔道技の投げがこわいですね。力が強いと感じました。ねちっこく、最後の最後まであきらめないんです。普通の選手はバック回ったらあきらめるけど、そこから腕を引きつけたり。次に闘う時は圧勝とはいかなくとも、満足できる試合にしないといけない」

■女子63s級優勝・伊調馨(ALSOK)
(3試合の総得失ポイント33−0で優勝)「勝つことはもちろんのこと、内容の良い勝ち方をしていないので、納得できていません。自分の中で納得できる試合ができて、満足できるのではないでしょうか。それは、自分なりにポイントの取り方であったり、(対戦相手への)入り方です。(これから海外の大会や試合が続きますが)日本人と外国人は戦術も戦い方も違うので、様々な面で確認していくことが必要だと思います。(出身地の八戸が東日本太平洋沖地震で被害を受けたことに関しては)私は、試合を控えていたこともあり、試合に集中させていただき、申し訳ない気持ちですが、大会も終わりましたので、時間を見つけて八戸に戻ってお役にたてることはしたいと思っています。世界選手権では全力を尽くします」

■女子72kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジホールディングス)
 (15度目の世界選手権、17度目の世界大会出場を決める)「世界選手権で優勝とロンドンオリンピックで金メダルを獲るという夢に向かって頑張っていられることを、光栄に思います。(世界選手権15度目に関しては)自分では数えたことがないので、家に帰ったら、あらためて確かめてみようと思います。決勝戦に関しては落ち着いて試合に臨めましたけれども、反省点もあるので、次につなげたい。反省点というのは、ラスト1秒のところでタックルにいくのではなく、もっと早い段階で攻めなければいけないし、チャンスをモノにできる試合運びをしていかないといけないですね。残り少ないレスリング人生ですから、一日一日を大切にして、レスリングにどっぷり浸かりたいですね。そのためにもみんなで一致団結してやっていこうと思います」

 

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