2011年全日本チーム記事一覧


【特集】五輪3連覇を目指すアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)に聞く
【2011年6月1日】



 5月19〜22日にウズベキスタンのタシュケントで行われたアジア選手権は、フリースタイル120s級のアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン=31歳、右写真中央)が出場した大会第2日が一番の盛り上がりを見せた。タイマゾフは、2000年シドニー五輪130s級で銀メダル、2004年アテネ&2008年北京両五輪は120s級で金メダルを獲得し、来年のロンドン五輪では五輪三連覇を達成したアレクサンダー・カレリン(ロシア)に並ぶ偉業を成し遂げようとしている。

 地元開催ということもあるが、アジア選手権にも休まず出場し、地元の大歓声を背に受けてしっかりと優勝を手に入れた。ウズベキスタンにとってレスリングはサッカーに次ぐ大衆娯楽。一般家庭でもレスリングをたしなむ子供は多く、タイマゾフはまさに憧れの的で、それ以上に老若男女問わず人気を博している。

 ウズベキスタンの国民的ヒーロー、タイマゾフにアジア選手権での感想、そして来年の五輪に向けての意気込みや、その強さの秘密を聞いてみた。(インタビュー=増渕由気子、通訳=アリシェル・オチロフ/ウルグベク・ニゾモフ/ファルフ・ミルザハリロフ)



――アジア選手権での優勝お疲れさまでした。120s級でもはや敵なしの強さをほこるタイマゾフ選手ですが、普段どんな練習を積んでいるのでしょうか?
 「ウズベキスタンの代表と一緒に練習しています。他の代表と同じ決まった時間だけで、特別な(個人)練習はしていません」
――毎日練習をしているのでしょうか?
 「はい、しています」
――レスリングの練習のほかに、何か取り入れていることはありますか?
 「1週間に2、3回、体力を維持するためにジムに通っています。筋トレをしてます」
――試合ではいつも圧巻の集中力を見せてくれますが、どのように高めているのでしょうか?
 「いつもようにしているだけです。普通に練習しているだけ」
(左写真=決勝で闘うタイマゾフ)
――練習はウズベキスタンだけで練習しているのでしょうか?
 「ウズベキスタンのほかにロシアでも練習をします」
――レスリングをやっていて一番楽しい瞬間はどんな時ですか?
 「試合で勝ったときが一番楽しいし、大切ですね」
――レスリング以外にやってみたい競技はありますか?
 「テニスとかやってみたいです」

■重量あげの五輪金メダリストの兄を誇りに、五輪へ挑戦

――お兄さんが重量上げの五輪選手で金メダルを獲得しているのですが、タイマゾフ選手が今日、このような素晴らしい成績を残していることに、影響はあるのでしょうか?
 「子供のときに、兄が優勝して、私も兄を誇りに思う気持ちがありました。いい刺激にもなりました」
――タイマゾフ選手の体つきは素晴らしいですね。そのような体を維持するために、食事などで気をつけていることはありますか?
 「普通の食事をしています。何も特別なことはしていません。ご飯も一日に3回か4回と普通です」
――来年はいよいよ、オリンピック3連覇がかかっていますが、自信はありますか?
 「勝つために一生懸命頑張ります」
――五輪出場枠がかかったトルコでの世界選手権(9月)の抱負をお願いします。
 「優勝できるように頑張ります」
――1番のライバルは誰になりそうですか?
 「ロシアのマホフ(昨年の世界選手権決勝で敗れる)だと思います」
(右写真=昨年の世界選手権決勝、左がタイマゾフ)
――ロシアで練習するときにマホフ選手とも練習することはあるのでしょうか?
 「いや、一緒に練習はしないよ」
――日本では総合格闘技が人気なのですが、五輪三連覇を達成したのちに、参戦することを考えたことはありませんか?
 「ない、ない(笑)。もう、スポーツを練習するエネルギーがないよ」
――日本でもタイマゾフ選手のファンは多いですし、マスコミも注目してます。タイマゾフ選手にとって、日本はどんな印象がありますか?
 「日本人と日本の文化をとても尊敬しています。最近地震と津波があったことを本当に残念だと思っています」
――機会があれば日本に行ってみたいと思いませんか?
 「もちろん、行ってみたいです「
――今、日本は津波や原発の被災者がたくさんいます。タイマゾフ選手から一言をメッセージいただけないでしょうか?
 「今後、このような災害が起こらないように期待しています。その悪い状態がなくなり、日本がもっと発展していけるように祈っています」

 

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