2011年全日本チーム記事一覧


男子両スタイルの全日本チームが合宿スタート
【2011年6月4日】



 男子両スタイルの全日本チームが6月3日、東京・味の素トレーニングセンターで今年度2度目の合宿をスタート(右写真)。ジュニアのアジア選手権(6月10〜12日、インドネシア・ジャカルタ)と世界選手権(7月26〜31日、ルーマニア・ブカレスト)の代表選手も加わり、総勢50人が汗を流した。大学の授業のためこの日は参加できなかった選手もいて、週末には総勢70人のトップ選手が集まる。

 佐藤満・男子強化委員長(専大教)は「5月の合宿はアジア選手権の前だったので、そう追い込めなかった。今月は2回合宿がある(次回は18日から)。技術的、体力的にとことん追い込み、しっかりしたベースをつくりたい」と話し、かなりハードな合宿にする予定だという。

 先月のアジア選手権(ウズベキスタン)は、ベストメンバーでなかったこともあるが、14階級で優勝はなく、「銀1・銅1」の成績。昨年11月のアジア大会(中国)での「金2・銀3・銅4」の好成績をつなげることができなかった。「2番手でも優勝できる層の厚さをつくりたい。いい試合をしても、勝ち切れなければ駄目」とし、あらためて底上げを目指す。

 しかしフリースタイルの軽量級などは、内容は悪くなく、負けたのは「いずれも紙一重の差」とのこと。他国に大きな遅れをとっているわけではなく、紙一重の差を乗り越える実力養成とコンディショニングを世界選手権までの課題に掲げた。

■2階級上の日本代表と練習する世界2位の松本隆太郎

 グレコローマン60kg級世界2位の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)は、74kg級世界選手権代表の金久保武大(ALSOK)とも積極的に練習していた
(左写真)。2階級上の日本代表との練習はかなりきついと思われるが、本人によると、パワーのある外国人対策として金久保には所属の練習でよく相手をしてもらっているという。

 「自分の持ち味はスタンドで前で出てポイントを取るレスリング。その技術を磨くために一番効率のいい練習は、自分より大きくて力のある選手との練習」と話し、得意分野のさらなる強化のための練習だという。「これでポイントを取れるようになれば、外国人にもポイントが取れます」と話し、世界選手権まで強化していく。

 練習の最後には、フリースタイル120kg級の荒木田進謙(専大クラブ)とも相撲の立ち会いのようなぶつかりを練習。パワーある外国選手にスタンドで押し負けないような練習に余念がない。

 フリースタイル55kg級の湯元進一(自衛隊)は、昨年のアジア選手権で勝った2009年世界王者のヤン・キョンイル(北朝鮮)が今年のアジア選手権で稲葉康弘(警視庁)を破って優勝したことに、「一度勝ったとはいえ、油断できない相手ですね」と言う。
(右写真=稲葉と練習する湯元)

 ヤンは昨年11月のアジア大会(中国)では、元世界王者のディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン)に負けて2位。そのマンスロフは、地元であるにもかかわらず今回のアジア選手権には出てこなかった。ヤン以上の実力者が控えているわけで、世界選手権へ向けて気をを引き締める材料ができた状況だ。

 ヤンの試合ビデオは見ていないが、世界選手権までに研究し、「闘いたい。必ず勝ちます」と気合を入れる。7月初めにはゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)にも出場する予定で、「世界選手権までにレベルの高い大会を経験しておきます」と話し、気持ちを高めて夏場の練習に臨む。

 合宿は11日まで行われる。



ジュニア選手も加わった合宿。週末にはあと20人ほどが参加する。 5月末のジュニアW杯の内容を佐藤満強化委員長に報告する和田貴広コーチ。 元木康年コーチと練習するアジア大会55kg級王者の長谷川恒平(右)。

斎川哲克と練習する重量級期待の星、120kgの前川勝利(左) ジュニアの日本代表に技術指導するグレコローマンの馬渕賢司コーチ。 120kg級の荒木田進謙(青)とスタンドの練習をする60kg級の松本隆太郎。

 

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