2011年全日本チーム記事一覧


全日本女子チームが今年度初の東京合宿をスタート
【2011年6月23日】



 世界選手権(9月12〜18日、トルコ・イスタンブール)と世界ジュニア選手権(7月26〜31日、ルーマニア・ブカレスト)の日本代表を含む全日本女子チーム約30選手が6月22日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした(右写真)。世界選手権代表が決まってから3度目で、東京では初。

 練習前、日本協会の高田裕司専務理事が男子選手にドーピング違反者が出たことを報告。サプリメントの服用に十分に注意することを呼びかけ、24日夜には現在同所で合宿中の全日本男子チームと合同でドーピングに関する講義を実施することが伝えられた。

 また、今月初めにインドネシア・ジャカルタで行われたアジア・ジュニア選手権に参加したコーチから、試合内容に関する報告があった。吉田栄勝コーチ(アイシン・エィ・ダブリュ)は「中国は、日本とやる時は入ってくるのを待っていて、入ってきたところをつぶしている。いなしたり、崩したりすれば、怖くはない」と話し、単純な飛び込みタックルではなく、工夫してのタックルの必要性を訴え、「日頃から積極的にタックルに入る練習をするように」と注文した。

 齊藤将士(警視庁)コーチは「優勝した選手は、有利な組み手を取るなどして追い込み、そこからタックルに入っている。優勝できなかった選手は、相手を崩しても怖がってそこから攻めていない。怖がらずに攻める必要がある」と、勝敗を分けたのは攻め込む勇気の違いだったことを指摘。「中国という名前に負けた負けたこともあるかもしれない。スタミナは日本選手の方があるので、怖がらずに先手先手で攻めるように」と話した。

 こうした報告を受け、木名瀬重夫コーチ(日本強化専任コーチ)は「タックルに入って、切られたり返されたりすると恐怖心が出てくる。相手が切ってきても、その先を考えて練習していれば、恐怖心はなくなる」と話し、いろんなパターンを想定した練習を訴えた。

■体力十分の齊藤将士コーチ(警視庁)が加入

 2007年アジア選手権王者でもある警視庁の齊藤コーチは、今年度から全日本女子チームのスタッフとして加わったコーチ。2008年まで現役のトップ選手だったコーチの体力はずば抜けており、何本も連続でスパーリングを実施。63kg級の伊調馨(ALSOK)をローリングで回したり、72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)から何度もテークダウンを奪うなど、これまでの合宿には見られないシーンが続出。つい最近まで現役だったコーチの加入は、女子チームに大きな力となりそうだ。
(左写真=浜口京子とスパーリングする齊藤コーチ)

 栄和人・女子強化委員長(至学館大)は、日本代表選手に対して「この時期は、世界選手権へ向けて追い込まなければならないが、けがをしてはならないし、すでにけがをしている選手もいて、練習が難しい時期でもある。選手のわがままを認めるわけではないが、世界選手権に万全のコンディションで臨めるように、自覚をもって自分のための練習をやってほしい」と自覚をうながした。

 一方、若手選手には「各所属で厳しい練習をしていても、違う所属の選手とやる全日本合宿では、ふだんはないプレッシャーがある。そんな状況下でも平常心で闘え、攻められるようにしてほしい。慣れている相手に対して攻めることができても、実戦では通じない」と、“他流試合”の重要性を求めた。

 合宿は27日まで。23日は男女合同のマットワークが行われ、高田専務理事は「男子選手から技術を吸収するとともに、男子選手に刺激を与えるような闘志ある練習をしてほしい」と注文した。

   
伊調馨が転がされた! 齊藤コーチの加入は女子チームに大きな力となりそう。   若手成長株ナンバーワンの村田夏南子は、目標である吉田沙保里に挑んだ。   練習の最後は体力トレーニング。腹筋、けんすい(向こう側)綱昇りが行われた。

 

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