2011年全日本チーム記事一覧


【特集】拓大・須藤元気監督を男にした金光正浩(西日本設備管理)が打倒・泉を果たす
【2011年7月3日】


(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 第59回を迎える大会史上、最高の約30人の報道陣が集まった全日本社会人選手権。お目当ては柔道の世界王者にして五輪銀メダリスト、総合格闘家の泉浩(プレシオス)だが、その泉を破ったのが、1年3か月前に拓大を卒業した金光正浩(西日本設備管理=右写真)。須藤元気監督が就任してから初めて団体戦優勝を果たした2009年東日本学生リーグ戦時の主力メンバーだった。

 学生時代に個人タイトルの獲得はなかったが、社会人1年目の昨年は千葉国体で3位に入賞するなど、卒業してからも力を伸ばしている発展途上の選手。泉の構えが純粋なレスリング選手に比べると高いと感じ、「タックルが入りやすい」と思って、徹底した片足タックルでの攻撃を仕掛け、これが当たった。

 岡山・高松農高時代からレスリングを始めて9年目。いくら相手が柔道の世界王者であっても、「レスリングを始めたばかりの選手には負けたくない」という気持ちがあったという。しかし、「力が強い。レスリングをしっかりと覚えたら、強くなるかもしれませんね」と、今後の泉に警戒も忘れない。

 自身は大学を卒業後、一般の企業に就職して普通に働きながら母校の高松農高の練習に加わってレスリング活動を続けている。練習環境はよくないが、全日本の上位を目指す気持ちは十分にあるようだ。初めて大勢の報道陣に囲まれ、ちょっぴり照れくさそうだが、今後の飛躍が期待される。

 

inserted by FC2 system