2011年全日本チーム記事一覧


【特集】ALSOKが実業団対抗戦で11連覇達成! 大橋監督「多くの企業に参加してもらいたい」
【2011年7月5日】


(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



 2008年北京五輪代表の湯元健一(当時日体大助)や笹本睦ら五輪選手が所属しているALSOKが、全日本社会人選手権の男子実業団対抗戦で11連覇を達成した。(右写真)

 男子の団体にはクラブと実業団の2カテゴリーある。実業団はエントリーメンバー全員が純粋なその企業の社員であることが条件のため、この不況の中、出場企業が大幅に減っているのが現状だ。今大会は、クラブチームが12チームエントリーした反面、実業団はALSOKと前川製作所の2チームのみ。大橋正教監督は「11連覇はうれしい反面、2チームのエントリーが寂しいという気持ちがあります」と話した。

 1990年代前半は、10チームほどのエントリーがあり、社会人選手権の団体戦は大いに盛り上がったが、経済が不況で近年は、団体戦を組む最低メンバーの3人がそろえられない。ALSOKはトップ選手が多く所属していることに加え、レスリングの経験がある一般社員も多数在籍している。今大会、一般社員からも団体戦に4人がエントリーし、うち2人が出場した。

■一般社員からも4選手がエントリー

 大橋監督は「11連覇することより、チームを維持していることが大変です。うちの企業は24時間365日稼動している会社です。勤務体系も土日休みもあれば、平日休みの社員もいます。ただ、会社の理解がありまして、社会人選手権の出場者には大会の日に休みが取れるように各部署にシフトの調節をしていただきました」と話し、会社の努力で毎年団体戦に出場し続けていることを説明した。

 日本トップレベルの選手を複数人雇用している一般企業は少ない。昨秋のアジア大会(中国・広州)の男子フリースタイル74s級銀メダルの長島和幸を擁し過去2度優勝しているクリナップも、2008年を最後に団体戦には出場していない。今年、女子を含めて3人が入社し、現在4人の“プロ選手”を擁している。

 大橋監督は「純粋な社員だけでエントリーすることが大変なことは分かります。でも、実業団レスリングを盛り上げるために、ぜひ多くの企業さんに出てもらいたいですね。またクリナップさんなど多くの企業と試合をしてみたいです」と来年のエントリー数が増えることを願っていた。
(左写真=笹本睦をセコンドの湯元健一、伊調寿行コーチが支え、伊調馨=右端=が応援)



 なお、ALSOK−前川製作所の試合はALSOKが4−1で勝った。湯元健一や金久保武大ら世界選手権代表選手は補欠に回ったが、五輪経験者の松永共広(66kg級)、笹本睦(74kg級)、昨年の世界選手権代表の松本篤史(84kg以上級)らのトップ選手が出場し、大会を盛り上げた。

 松永は、今年3月に拓大を卒業したばかりでグレコローマン60s級の全日本学生王者にして、フリースタイルでも世界学生チャンピオンの経歴を持つ内村勇太との対決となった
(右写真)。「思ったより強かった。最初は様子を見すぎてしまったのと、崩しがきかなかった」と第1ピリオドを落としたが、ベテランらしく第2、3ピリオドで修正し、最後は鮮やかなタックルで勝負を決めた。

 4月の全日本選抜選手権で準優勝に終わり、今年の世界代表は逃したが「ロンドン五輪目指して頑張っています」と話し、12月の全日本選手権での完全復活を視野に入れていた。



■最近の全日本社会人選手権・団体戦実業団対抗の部成績

優    勝 2    位 3      位
2011 2 ALSOK 前川製作所
2010 3 ALSOK 前川製作所 男山酒造
2009 2 ALSOK綜合警備保障 前川製作所
2008 2 ALSOK綜合警備保障 クリナップ
2007 2 ALSOK綜合警備保障 太平洋石油
2006 2 ALSOK綜合警備保障 太平洋石油
2005 3 ALSOK綜合警備保障 クリナップ 太平洋石油
2004 2 綜合警備保障 太平洋石油
2003 4 綜合警備保障A クリナップ 総合警備保障B 太平洋石油
2002 3 綜合警備保障 クリナップ 太平洋石油
2001 4 綜合警備保障 ジャパンビバレッジ 太平洋石油 クリナップ

 

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