2011年全日本チーム記事一覧


【特集】入江ゆき(九州共立大)・ななみ(福岡・小倉商高)が姉妹V
【2011年4月25日】


(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)



 JOC杯ジュニアオリンピックで、女子ジュニア48s級の入江ゆき(九州共立大)と女子カデット49s級の入江ななみ(福岡・小倉商高)が姉妹で優勝した。小倉の入江三姉妹はキッズ時代から3人そろってコンスタントに成績を収めていたが、長女、次女がそろって優勝するのは初めてのことだという。2人並んで金メダルを掲げて笑顔を見せた。(右写真:左から九州共立大・藤山慎平コーチ、入江ななみ、ゆき、福田敬治監督)

■ジュニアクイーンズの失敗を糧に

 入江ゆきは、今月2〜3日に東京で行われたジュニアクイーンズカップでは2回戦で矢後佑華(東京・安部学院高)に敗退し、メダルを逃した。「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)で優勝するなど冬の間に取り組んだ練習の成果を整理し切れず、試合で発揮できなかったのが敗因だった。今根から女子の世界ジュニア選手権の日本代表選考会は、JOC杯からジュニアクイーンズカップに移行したため、この敗戦によって世界への切符獲得はならなかった。

 だが、この負けが姉・ゆきを強くさせた。なぜ負けたのか、という課題を持って2週間で再調整し、「普通にやれば勝てる」とまで自信を高めてきた。タックルに入るタイミング、グラウンドでの攻撃もピタリと決まった。決勝戦で再び矢後と対戦したが、前回のトラウマはなし。ストレートで勝って優勝を飾った
(左写真)

■妹のななみは強敵倒しての優勝

 妹のななみは、決勝戦で昨年8月のユース五輪金メダリストの宮原優(JOCアカデミー/東京・安部学院高)と対戦。全ピリオドともクリンチにもつれる激戦を制して2−1で勝利した
(右下写真)。ななみにとって宮原は「小学校から10回くらい対戦して一度も勝ったことがなかった」という格上の相手。大きな壁だった。

 しかし、「コツコツあきらめないでやるところがすごいところ」という姉の姿を見習って練習を積んできた。「宮原選手はスピードがある選手で、いつもそのスピードに合わせて負けてしまっていた」という反省を生かして、今回は随時マイペースで進めたことが勝因だ。

 姉妹そろって九州を拠点にして練習を積んでいる。高校や大学進学をきっかけに、愛知や関東に環境を移す選手が多い中、地元の小倉一本で練習を積んでいる。「(関東などに)出て行かなくても、頑張り次第で強くなれるし、北九州からオリンピックを目指したい」と姉妹そろって将来の目標を掲げた。

 

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