2001年世界選手権旅日記


                  


 朝から空一面に広がる青空。ホテルの窓からはかなり高い山が見える。ソフィアは4度目だが、こんな雄大な山があったことは新発見。すべてレスリングの取材で来ているから当然なのかもしれないが、周囲の景色を見る余裕がなかった理由もあるだろう。景色だけでなく、人生そのものも、年をとると、いろんなものが見えてくるのかもしれない。

 バスで約10分間ゆられ試合会場へ。3面マット。大丈夫かな? フリーだけとか、グレコローマンだけの大会でも3面マット。女子が加わるから4面マットにするべきでは、と思う。試合開始。レフェリーの格好が変わったことに気がつく。スーツにネクタイ姿。悪くはないが、慣れるまで違和感を感じそう。シューズだけははいた方がいいような気がする。

 試合は男子3選手がすべて敗退。やっぱり厳しい。女子は順調。十分に予想できたが、男子も1人くらいは上位入賞を期待していただけに残念。フリー76kg級はシドニー五輪で金メダルをとりながら、ドーピング違反で失格となったアレクサンダー・レイポルド(ドイツ)が処分がとけて出場。しかしグルジア選手に2−3の判定負け。1年間のブランクは大きい。でも、これが勝負の世界。どこやらの柔術家みたいに、1年も2年も間があいて勝てるなんて、相手が弱いからなのであって、世界のトップレベルの戦いではありえない。

 午前の部と午後の部の間に記録の送信。しかし、つながらずにイライラ。窮余の策としてベオグラードにつないでみたらOK。1分間に3.8ドルかかるが、日本へ国際通話するよりはいい。休む間もなく午後の部。清水美里がトリシア・サンダース(米国)を破る。応援に来ていた元世界チャンピオンの成国(旧姓飯島)晶子さんから「ほれ、見たことか」といった態度をとられる。米国の「The Mat Com」から頼まれた優勝予想、女子46kg級は清水じゃなくサンダースにしていたことを知っていて、皮肉ってきたのだ。かわいげのないヤツめ!

 夜は日本語ペラペラのネリーさんと再会。94年の世界女子選手権で同行したテレビ朝日の通訳を務めていた人。昨年、約5年ぶりに会った。もうしばらく会えないと思っていたが、世界大会がブルガリアになったことで急きょ、ことしも会えることになった。宮崎さん、横森女史、矢吹カメラマンとともにブルガリア料理店に連れて行ってもらう。レストランの選手・役員用の食事は昼と夜が同じで、それが毎日続く。こうして地元の料理店に案内してもらうのは貴重な経験だ。

 尿酸値が高く、痛風防止の食事をしている筆者にとって、肉の多い料理はやや抵抗があったが、おいしさの前に「1日ぐらいいいだろう」と自分を納得させてパクパク。おいしかった!



《トップページへ戻る》

inserted by FC2 system