この日から競技開始。でも「内外タイムス」は夕刊紙で、日曜日の発行はないので原稿の執筆もないのです。日光浴でもして休んでいてもいいのだけれど、柔道で野村忠宏、田村亮子という注目の選手が出るし、会場(写真左)の場所などを覚える必要もあったので、観戦に行く。レスリングは柔道がすべて終わったあと、畳をマットに変えて実施するのです。

 記者村からバスでリドコンベ駅へ。そこから市の中心部へ向かって電車で約30分。セントラル駅で降り、路面電車のようなチンチン電車に乗って、最寄駅へ。そこから15分くらい歩いたけど(道に迷ったので、実際は20数分)、どうももっといい方法があったみたい。帰りにしっかり研究してみようと思う。

 午後3時からの試合はもうスタートしていて、野村、田村とも順当に勝ち進んでいる。館内はぎっしりで、日本の旗を持った集団が多い。約6000人のうち、8割が日本人といったらオーバーかな? 残念ながらレスリングは、ここまではならないだろうな…。

 で、結果は両選手とも金メダル。準決勝までの田村は、どことなしに動きが固く、自ら攻撃しない(できない?)。田村といえども、オリンピックは独特の緊張感に襲われるようだ。準決勝の北朝鮮戦なんて、なぜ田村に審判の旗が3本も上がるが分からなかった。確かに最後に寝技で攻撃しようとした場面はあったけど、これといって技になっていなかったし、あれが有効ポイントになるとは思えない。あとで日刊スポーツの柔道担当記者に聞いたら「応援のすごさでしょ」だって。まあ、審判も人の子、地響きが鳴るような声援が湧き上がったら、効果ある攻撃と思っても不思議ではない。

 でも、3度目のオリンピックにしてよく頑張ったと思う。プレッシャーもあっただろうし。勝った直後は泣いていたけど(写真右)、本当にうれしいと思う。おめでとう。

 野村も2大会連続金メダルの偉業を達成した。昨年、世界選手権の代表になれないという屈辱を味わい、それをはね返しての金メダル。この2人の快挙を見て、浜口京子選手が今年負けたのは決して悪いことではないと感じた。負けた経験があるからこそ、必死に努力するのだと思う。

 そして、レスリングにもこれだけの応援がほしいところ。これだけの応援があれば、選手だって普通の力以上のものを出すに違いない。それには、金メダルが取れるくらいにまで実力を戻し、積極的な広報活動によってファンを増やすことが大事だろう。館内を埋めつく応援団は、大きなパワーになることを痛感した。

 試合終了が10時すぎで、一応、公式記者会見も聞いてから会場をあとにしたので、セントラル駅に着いたのがちょうど0時。ここから電車とバスを使って記者村に到着したのが深夜1時。まだ宵の口で、レストランなどは騒がしい。いくつかのテレビでオリンピックの録画をやっていたけど、水泳やバレーボールであって、柔道はひとつもなし。やはりこの地で柔道の人気は今ひとつみたい。初日にして金メダル2個という私達日本人の興奮も、地元の人には全く伝わってはいないようだ。(続く)

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