【特集】全日本選手権優勝選手の声
【2010年12月23日】


(取材=三次敏之、増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



 ■男子フリースタイル74s級・長島和幸(クリナップ)(全日本選手権5連覇)「意識はしていなかったのですが、5連覇がかかった大会で結果を残すことができてよかったです。他の日本代表選手もそうだとは思いますが、(試合が続いたので)モチベーションを上げていくのが大変でした。アジア大会で一度減量をしているので、体重を上げることと体調管理が難しかった。

 (準決勝の高谷惣亮戦は)3年前に彼が高校生だった時のこの大会で対戦して、内容的には追い込まれてしまった思い出があります。今回も苦しい場面はありましたが、勝つことができました。5連覇することができましたが、もっと全体的に攻撃的なレスリングをしないといけない。来年はロンドン五輪の選考になるので、世界選手権も獲って、オリンピックを狙います」



 
■男子フリースタイル96kg級・磯川孝生(徳山大職)(順当に勝ってアジア大会銅メダリストの実力を見せる)「(世界選手権、国体、アジア大会と連戦続きで)正直なところ『疲れた』というのが感想です。今年は大会日程がタイトになっていて、肉体的に疲れましたね。でも、優勝で1年を締めくくれてよかった。(準決勝までは無失点、決勝戦で1失点を取られ)無理に粘ってけがするより、1点をやってもいいから勝ちに行く方が後々の闘いとしていいと思った。今回、(120s級の日本代表(下中隆広)が階級を落として参戦した点ことについて、何回も聞かれたが、相手が誰だろうと関係ない。
 
 アジア大会でメダルを取ったことで、高校生の重量級選手に『僕らでもできるんだ』って思ってもらえればよかった。来年9月の世界選手権で五輪出場権をとりたい。アジア大会3位になって意識が変わった。それに恥じないような練習と生活をしていかなくてはと思います。今後のスタイルは、1点取ったらもう1点取りにいく姿勢でいたい。それにより、スキのないレスリングができる」



 
■男子グレコローマン55kg級・長谷川恒平(福一漁業)(4連覇を達成)「今大会はロンドン五輪に向けてのスタートの大会で、無事に勝ってよかったです。(決勝の第1ピリオドを取られたが)峯村選手はグラウンドのディフェンスが強い選手なんで、仕方ないでしょう。峯村選手はトルコで海外修行を積んできたようですが、僕は日本で厳しいを積んでいた。第3ピリオドは、セコンドから『スタートから取りに行け』といわれた。今後もスタンド、グラウンドともに磨いていきたい。

 今年は冬の遠征から世界選手権まで勝ち切れなくて、焦りがあった。アジア大会で優勝できて『ようやく勝てたね』といわれました(笑)。世界選手権、国体、アジア大会と試合が続いたけれど、オリンピックのトライアルでは、もっと厳しい闘いになるでしょう(から音をあげない)」。



 
■男子グレコローマン120s級・新庄寛和(自衛隊)(2年連続4度目の優勝)「優勝は素直にうれしいのですが、決勝の内容が良くなかったです。(決勝の相手の)中村選手は自分の闘いを分かっているので、もっと対応していくようにしないといけないですね。世界選手権、アジア大会と連戦でしたが、その疲れがあるといったら言い訳になってしまう。

 今後は外国人選手に勝つためにも、スタンドの闘い方や試合展開といったものを研究していかないといけないです。国際大会でメダルを獲れるように頑張って練習します。全日本選手権連覇は自分自身初めてなので、素直にうれしいです」



 ■女子51s級・堀内優(日大)(2年ぶり2度目の優勝)「今回の大会は勝たないといけない試合でしたので、勝てて良かったです。減量のほか、右肩を脱きゅうをしてしまっていたので、しんどかったです。右肩の脱きゅうは12月に入ってから2度やってしまいました。(決勝の菅原ひかりとの試合は)全日本選手権で自分よりも年が下の選手と闘うのは初めてのことだったので、負けられないという緊張感がありました。

 (55s級へ階級を上げるということについては)今大会は、自分の今の実力と肩の脱きゅうのことも考えて、今回は51s級で出場することにしました。9月の世界選手権まではコンディションも良かったのですが、世界選手権で脱きゅうしてしまって、減量も厳しくなってしまい、今大会の計量もギリギリまで体育館の上で走っていたくらいです。まだまだ守りに入ってしまうところがあるので、自分から攻めるレスリングをしていけば、上の階級でもいけるのではないかと思っています」

 

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