2010年天皇杯全日本選手権 男子フリースタイル展望





55kg級 60kg級 66kg級 74kg級 84kg級 96kg級 120kg級



 【55kg級】

 9月の世界選手権と11月のアジア大会でともに銅メダルを獲得した昨年王者の稲葉泰弘(警視庁右写真)が連覇を目指す。2008年王者の湯元進一(自衛隊)は、5月の全日本選抜選手権で優勝しながらプレーオフで世界選手権代表を逃した。5月のアジア選手権は前年の世界王者を破るなどして優勝、7月のゴールデンGP決勝大会は稲葉を破るなどして優勝しており、稲葉と甲乙つけがたい実力。国体は60kg級で優勝するなど乗っている。雪辱なるか。

 2008年北京五輪銀メダリストの松永共広(ALSOK)は、復帰戦となった全日本選抜選手権は湯元に敗れて3位。リベンジを狙うとともに、3年ぶりの優勝を目指す。国体優勝の富岡直希(NEWS DERI)、同2位で全日本選抜選手権3位、10月のサンキスト・オープンで優勝した守田泰弘(山口県協会)、昨年の大会で高校生ながら湯元を破る殊勲をあげた森下史崇(日体大)らが上位へ食い込めるか。

 優勝争いにからむのは厳しいと思われるが、ユース五輪優勝ほか高校2年生で高校三冠王(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)とJOC杯カデット王者に輝いた高橋侑希(三重・いなべ総合学園高)がどんな闘いを見せるか注目される。

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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝&世界選手権代表選手》
A稲葉泰弘(警視庁)=世界選手権3位、アジア大会3位

@湯元進一(自衛隊)=アジア選手権優勝、ゴールデンGP優勝、国体60kg級優勝
B松永共広(ALSOK)=2008年北京五輪2位
B守田泰弘(山口県協会)=全日本社会人選手権優勝、サンキスト・オープン優勝
 富岡直希(NEWS DERI)=国体優勝
 半田守(専大)=全日本学生選手権優勝
 長尾武沙士(近大コーチ)
 荻原健汰(専大)
 桑木黎(中京学院大)
 冨田和秀(自衛隊)
 谷口徹(自衛隊)
 山内拓真(自衛隊)
 矢後匡平(日大)
 森下史崇(日体大)
 奥田賢市朗(日体大)
 長野真也(立命館大)
 高橋侑希(三重・いなべ総合学園高)=ユース五輪54kg級優勝



 
【60kg級】

 9月の世界選手権は初戦敗退だったが、11月のアジア大会で銀メダルを取った小田裕之(国士館大右写真)が2連覇を目指す。しかし強敵が多い。

 2009年世界選手権5位の前田翔吾(日体大)、2006年世界選手権3位で昨年のこの大会2位の高塚紀行(自衛隊)、2008年北京五輪銅メダルの湯元健一(ALSOK)、5月の全日本選抜選手権で小田を破った石田智嗣(早大)とハイレベルで選手がひしめいており、だれが優勝してもおかしくない状況。石田は世界学生選手権66kg級で優勝するなど乗っている。
 
 全日本社会人王者のベテラン、清水聖志人(日体大教)、世界ジュニア選手権3位で全日本大学選手権優勝の鈴木康寛(拓大)といった若い選手にも上位進出の実力はあるはず。

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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝&世界選手権代表選手》
小田裕之(国士舘大)=アジア大会2位

@前田翔吾(ニューギン)=2009年世界選手権5位、アジア選手権2位
B湯元健一(ALSOK)=2008年北京五輪3位、メドベジ国際大会優勝
A高塚紀行(自衛隊)=2006年世界選手権3位、ヤリギン国際大会3位
B石田智嗣(早大)=全日本学生選手権優勝、世界学生選手権66kg級優勝
 清水聖志人(日体大教)=全日本社会人選手権優勝
 鈴木康寛(拓大)=全日本大学選手権優勝、世界ジュニア選手権3位
 菊地憲(警視庁)
 安永純(日本文理大)
 野田寛人(自衛隊)
 入江清志(日大)
 安澤薫(ワセダクラブ)
 椿恭将(中大)
 井上貴尋(日体大)
 松本桂(早大)
 柏木健太(早大)
 入江和久(東洋大)
 五十嵐琢磨(日体大)
 鴨居正和(香川・香川中央高)



 【66kg級】

 昨年の世界選手権3位で今年11月のアジア大会で優勝した米満達弘(自衛隊右写真)が一歩リードしている状態。2004年アテネ・2008年北京両五輪代表で昨年王者の池松和彦(池松オリンピックアカデミー)がどう闘うか。

 小島豪臣(K−POWERS)は、全日本社会人選手権74kg級と国体で優勝し、10月のサンキスト・オープン(米国)でも勝つなど2006年アジア大会で銀メダルを取った頃の勢いを取り戻している。米満のが城を破れるか。

 元全日本王者の金渕清文(青森・光星学院高教)と佐藤吏(ALSOK)、全日本選抜選手権3位で全日本社会人選手権優勝の藤本浩平(警視庁)らが優勝戦線に顔を出すか。若手では世界ジュニア選手権銀メダルの田中幸太郎(早大)、全日本大学選手権で田中を破った小石原拓馬(日体大)らに躍進が期待できる。


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★12月7日: 【特集】名勝負数え歌! ライバル対決に勝つのはどちらか(2)米満達弘−小島豪臣

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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝選手》
A池松和彦(池松オリンピックアカデミー)=2004・08年五輪代表

《世界選手権代表選手》
@米満達弘(自衛隊)=2009年世界選手権3位、アジア大会優勝

B小島豪臣(K-POWERS)=国体優勝、サンキスト・オープン優勝
B藤本浩平(警視庁)=全日本社会人選手権優勝、サンキスト・オープン2位
 田中幸太郎(早大)=全日本学生選手権優勝、世界ジュニア選手権2位
 長尾明来士(近大)
 後藤翼(山梨・韮崎工高講)
 間瀬雄介(専大)
 佐藤吏(ALSOK)
 藤本健太(吹田市民教室)
 黒崎辰馬(福岡大)
 山田大地(自衛隊)
 安藤達也(国士舘大)
 志土地翔大(田道場)
 安田友貴(中大)
 砂川航祐(日体大)
 小石原拓馬(日体大)
 金渕清文(青森・光星学院高教)
 保坂健(埼玉・埼玉栄高)



 【74kg級】

 11月のアジア大会で銀メダルを取った長島和幸(クリナップ右写真)を、全日本選抜選手権2位の高橋龍太(自衛隊)、国体優勝の鈴木崇之(警視庁)、同2位で学生二冠王の高谷惣亮(拓大)が追う展開。長島がアジア大会銀メダリストの実力を見せられるか。

 全日本選抜選手権3位の奈良部嘉明(山梨学院大OB)、2008年全日本2位の森川一樹(山梨学院大OB)の山梨学院大勢の上位進出はあるか。


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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝&世界選手権代表選手》
@長島和幸(クリナップ)=アジア大会2位

A高橋龍太(自衛隊)=全日本社会人選手権84kg級優勝
B鈴木崇之(警視庁)=国体優勝
B奈良部嘉明(山梨学院大OB)
 高谷惣亮(拓大)=全日本学生選手権優勝、全日本大学選手権優勝
 嶋田大育(青森・青森商高)
 江藤公洋(専大)
 村上貴之(関大)
 桜井浩二(前川製作所)
 森川一樹(山梨学院大OB)
 横山太(自衛隊)
 沢謙(国士舘大)
 細谷翔太朗(日大)
 山名隆貴(日体大)
 北村公平(早大)
 宮原崇(国士舘大大学院)
 長谷川公俊(神奈川大)



 【84kg級】

 9月の世界選手権と11月のアジア大会の代表は松本篤史(ALSOK右写真)だが、ともに上位進出はならなかった。昨年王者の松本真也(警視庁)が日本代表を逃したリベンジに挑む闘いはどうなるか。

 学生勢が両者の闘いに割って入れるか。学生二冠王(全日本学生選手権、全日本大学選手権)に輝いた鈴木聖二(専大)、全日本選抜選手権2位の永田裕城(日大)、同3位の山口剛(早大)らで、新しい力の躍進が望まれる。

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★12月9日: 【特集】名勝負数え歌! ライバル対決に勝つのはどちらか(3)松本篤史−松本真也


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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝選手》
松本真也(警視庁)=アジア選手権3位

《世界選手権代表選手》
@松本篤史(ALSOK)

A永田裕城(日大)
B山口剛(早大)
B殿村幸城(早大)
 鈴木聖二(専大)=全日本学生選手権優勝、全日本大学選手権優勝
 門間順輝(秋田市消防本部)=国体優勝
 松野裕也(茨城・霞ヶ浦高)
 浅見哲郎(東京・東亜学園高教)
 山本悟(岡山・新見高教)
 倉崎智大(徳山大)
 柴田寛(山口県体協)
 北宮光洋(桃山学院大)
 嶋田裕大(国士舘大)



 【96kg級】

 5月のアジア選手権と11月のアジア大会でともに銅メダルを取った磯川孝生(徳山大職右写真)の時代ができるかと思われた階級だが、世界選手権120kg級代表の下中隆広(国士館大ク)が階級を下げて挑んできた。減量が順調に進めば、難敵になることは間違いないだろう。

 全日本選抜選手権2位で全日本社会人王者の下屋敷圭貴(NEWS DERI)、昨年2位の坂本憲蔵(自衛隊)も意地を見せねばなるまい。


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★12月8日: 【特集】120kg級日本代表の参戦も「いつもと変わりない」…男子フリー96kg級・磯川孝生(徳山大職)

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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

《2009年優勝&世界選手権代表選手》
@磯川孝生(徳山大職)=アジア選手権3位、アジア大会3位、国体優勝

A下屋敷圭貴(NEWS DERI)=全日本社会人選手権優勝
B坂本憲蔵(自衛隊)
B宮路高行(第一建設工業)
 下中骰L(国士舘クラブ)=世界選手権120kg級代表
 柳谷将広(徳山大)
 馬場貴大(専大)
 福井裕士(天理大)
 金光正浩(西日本設備管理)
 山本美仁(CAMUSA)
 入江泰久(神奈川大)
 徳山利範(明大)
 金沢勝利(山梨学院大)
 鈴木啓仁(早大)
 星友和(国士舘大)
 浜中和宏(Laughter7)



 【120kg級】

 昨年王者で今年の世界選手権代表の下中隆広が96kg級へ階級ダウンしたため、アジア大会代表で2008年全日本王者、今年国体優勝の荒木田進謙(専大ク右写真)が実力を発揮しそう。アジア大会の不振を国内で圧勝することで払しょくできるか。

 全日本選抜選手権3位の高林努(ミヨシ商事)と相沢優人(日大)がどう挑むか。全日本学生選手権2位と成長を見せる岡倫之(日大)ら若手の躍進はあるか。

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◎エントリー選手(マル数字は5月の全日本選抜選手権の順位。年度のない成績はすべて今年の大会)

A荒木田進謙(専大クラブ)=アジア大会出場
B相沢優人(日大)=全日本学生選手権優勝
B林努(ミヨシ商事)=国体優勝
 桜井紀宏(本間組)=全日本社会人選手権優勝
 原芳貴(徳山大)
 岩宮亜貴彦(徳山大)
 材木聖史(関学大)
 増田拓也(山梨学院大)
 内谷幸博(国士舘大)
 岡倫之(日大)
 時信光一(日体大)
 村木孝太郎(拓大)
 馬場祐太朗(長崎県協会)

 

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