【特集】全日本選手権・優勝選手の声
【2010年12月24日】


(取材=渋谷淳、増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



 ■男子フリースタイル84kg級・松本真也(警視庁)(2年連続優勝に)「5月の全日本選抜選手権で本戦、プレーオフと2回、同じ相手(松本篤史)に負けていたので、去年の優勝のことなど忘れてました。

 松本篤史選手は、強い相手だけど、すごい作戦練ってきた。相手は差しが得意なので、差してくる前提の作戦を立てた。自分はタックルが得意なので、その持ち味を生かせるようにしました。来年は全日本選抜選手権で優勝して、世界で自分のレスリングをできるようにしたいです」




 
■男子グレコローマン66kg級・岡本佑士(拓大)(混戦のトーナメントを抜け出し、うれしい初優勝)「決勝戦は特に作戦はなかったけど、自分ができることを出し切ろう、全力を出し切ろうという気持ちでレスリングをしました。今日は力を出せたことがうれしいです。今年は全日本選抜選手権でベスト8に終わって、それが悔しくて練習量を増やしました。特にスタンドが不安材料なので、力を入れて練習しました。その成果もあったし、あとは勝ちたいという気持ちの強さで優勝できたと思います。

 自分はリフト技が得意ですが、まだまだ世界で通用するほどではありません。来年はロンドン・オリンピックの選考が絡んでくる年です。スタンドにもリフト技にも磨きをかけて、まずは4月の全日本選抜選手権で勝ち、世界選手権のキップを手にして、自分の実力を証明したいと思います」



 
■男子グレコローマン74kg級・田村和男(早大)(早大選手として50年ぶりのグレコローマン優勝)「ノーマークなんで勝つことができた。勝負は時の運ということですかね。今日は自分でもよくわからないのですが、ローリングがさえて気持ちよくできていた。大学では2年の秋の東日本秋季新人戦で優勝した時のみ優勝の経験があり、あとは今年の全日本学生選手権(インカレ)の2位が最高成績だった。

  インカレはクリンチで負けたので、悔しくてそれが生きたのだと思います。今大会で引退する予定で出た。もし、やれる環境があったら世界選手権に挑戦してみたいと思いますが、基本的には地元に帰って就職します」




 
■女子72s級・浜口京子(ジャパンビバレッジ)(大会タイ記録に並ぶ14度目の優勝を飾って)「アジア大会の翌日から練習を始めて、追い込んだ練習をして今大会に臨みました。今年は大きな大会が多く、最後を締めくくれてほっとしています。(決勝は第2ピリオドを取られ、最終ピリオドも延長戦の末に勝利)絶対に勝ちたいという気持ちがあったので(攻撃権)を呼びこめたと思います。V14という記録のことは考えていませんでした。いままでいろいろな壁があったけど、自分はレスリングが大好きでここまでくることができました。その結果、森山さんの記録と並べてとても光栄です。

 今年は大きな大会が多く、駆け抜けた感じのレスリング生活でした。ここで満足せずに、来年はロンドンオリンピックに向けて精いっぱい努力していきたいと思っています」

 
《関連コメント》
 
■日本協会・福田富昭会長「ついこの前デビューしたと思っていたが、時間が経つのは早い。14度目も優勝を重ねるのは大変なこと。普通は気持ちがそこまで続かない。すごい精神力があればこそ。森山選手と違って14年連続ではないけれど、たたえたい。来年は15度優勝の新記録を打ち立て、弾みをつけてロンドン五輪での金メダルを目指してほしい」

 
■14度優勝記録を持つ森山泰年さん(自衛隊)「自分の場合、優勝回数を目標にやってきたわけではない。1年、1年の積み重ねが14度となった。全日本選手権を目標にやっていては達成できない。オリンピックという目標があったから。浜口選手もオリンピックがあるから積み重ねられたのだと思う。ロンドン五輪を目指し、来年は自分の記録を破って15度目の優勝を達成してほしい」

 

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