男子両スタイルの全日本チームが合宿スタート【2010年10月30日】


 アジア大会(11月21〜26日、中国・広州)の代表選手を中心とした男子両スタイルの全日本チームが10月29日、世界選手権後2度目の合宿をスタートさせた。

 この日は日本協会の高田専務理事も姿を見せ、選手を激励。最初は練習を見ているだけだったが、選手の熱さに引きずられるようにアドバイスが増えていく。マットにも入っていき、世界3位の稲葉泰弘(警視庁)や、アジア大会には出場しないが湯元進一(自衛隊)らに手取り足とりの技術指導を行った
(右写真=選手を激励する高田裕司専務理事)

 高田専務理事は、アジアのフリースタイル、特に軽量級は世界のトップレベルであることを指摘。今年5月のアジア選手権で55kg級の湯元が優勝したものの、アジア大会では簡単に勝たせてはもらえないと警句を発する。「66kg級はインドが世界チャンピオンになった。世界チャンピオンになれば自信がつく。ただでさえイランが強い階級。厳しい闘いを覚悟しないとならない」と話した。

 グレコローマンでも、55kg級に世界V4のハミド・スーリヤン(イラン)などがいて、勝つためには過酷な闘いとなると予想するが、世界選手権の60kg級で松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)が銀メダルを取ったことは大きいと言う。「自信もついただろうし、やる気も違う」と話し。アジア大会2大会連続で金メダルを取っているグレコローマン(2002年=84kg級・松本慎吾、2006年=60kg級・笹本睦)の伝統を守ってほしいと期待した。

 佐藤満強化委員長(専大教)は、両スタイルとも66kg級までは金メダル、74kg級以上は最低でもメダルを注文。重量級は「(今年5月の)アジア選手権でもメダルを取っている」とし、重量級の奮戦に期待した。今回の合宿は試合形式に近いスパーリングを多く取り入れ、より実戦に近い練習を重ねるとともに、「疲れを残さないようにしたい」と話した
(左写真:松本慎吾コーチ=右端=の指導で練習するグレコローマン重量級選手)

 合宿は11月6日まで。なお、フランスから今年の世界選手権のフリースタイル55kg級に出場したカプランババ・ロクマン(2007年欧州ジュニア選手権3位)が来日。30日から練習に加わる。11月21日まで日本に滞在し、修行する予定。

inserted by FC2 system