2010年アジア大会(11月・中国) 男子グレコローマン展望



 ※エントリーはアジア大会組織委員会の発表によります。レスリングのエントリーは通常、3選手までエントリーでき、試合前日のファイナルエントリーで1人に絞るようになっています。今年の世界選手権ではエントリーしていない選手が試合に出るなど、厳密に守られていないのが現状で、エントリー以外の選手が出場する可能性もあります。国名の次の数字は、生年月日(日/月/年)。



 
【55kg級】=11月21日実施

 2005〜07・09・10年の世界選手権で優勝しているハミド・スーリヤン(イラン右写真)が文句なしの優勝候補。前回のアジア大会には出場していないので、初のアジア大会王者を目指す。

 今年のアジア選手権優勝のチョイ・ギュジン(韓国)は、世界選手権では決勝まで進み、スーリヤンに敗れて2位。雪辱を狙う。昨年のアジア選手権3位で今年のゴールデンGP決勝大会3位のアスカト・クダイベルゲノフ(カザフスタン)も上位を狙えるか。

 他に、今年のアジア選手権2位のラジェンダー・クマール(インド)、同3位のカニベク・ゾルチュベコフ(キルギス)も上位を狙う。昨年のアジア選手権優勝の長谷川恒平(福一漁業)も、当然、優勝争いに加わらねばならない。

 
《エントリー選手》
SORYAN REIHANPOUR Hamid(イラン、24/08/1985)=2005〜07・09・10年世界選手権優勝
CHOI Gyujin(韓国、28/06/1985)=2010年アジア選手権優勝、2010年世界選手権2位
KUDAIBERGENOV Askhat(カザフスタン、22/01/1987)=2009年アジア選手権3位
 →組織委員会のエントリー・リストにはないが、カザフスタン協会のHPによると、Karishalov Marat が出場するもよう。
KUMAR Rajender(インド、25/10/1985)=2010年アジア選手権2位
ZHOLCHUBEKOV Kanybek(キルギス、08/10/1989)=2009年世界ジュニア選手権3位、2010年アジア選手権3位
LI Shujin(中国、01/08/1982)=2008年アジア選手権5位
HAFIZOV Ildar(ウズベキスタン、30/01/1988)=2008年北京五輪11位
YUN Won Chol(北朝鮮、03/07/1989)
ALSAEDI Mohammed(イラク、23/04/1992)
ANGANA Margarito Jr.(フィリピン、12/05/1983)
KONGSRICHAI Kritsada(タイ、08/08/1991)
ORASHEV Arslan(トルクメニスタン、28/03/1994)
HO Quang Hai(ベトナム、16/11/1989)
長谷川恒平(日本、22/11/1984)=2009年アジア選手権優勝
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事



 
【60kg級】=11月21日実施

 世界選手権2位の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)を筆頭に、世界10位までにアジアが6選手入っている階級。アジアが世界のトップレベルを占める勢いを見せている。

 世界3位は2008年世界学生選手権優勝のアルマト・ケビスパエフ(カザフスタン)。今年のアジア選手権は7位だったが、本当の実力はどちらか。同じく世界3位の鄭智鉉(韓国右写真)は2004年アテネ五輪の王者。2008年北京五輪9位のあと、2009年は休養していたようだが、今年2月から国際舞台に復帰した。力を発揮するのは、これからか。

 世界7位のルスラン・ツメンバエフ(キルギス)は2008年アジア選手権優勝・北京五輪3位の選手。2006年アジア大会は3位だった。世界9位のオミド・ノロージ(イラン)は、今年のワールドカップ個人優勝の選手。世界10位のディルショド・アリポフ(ウズベキスタン)は33歳のベテラン選手で、2001年に58kg級で世界王者になっている。昨年の世界選手権で2位に入るなど、まだ実力は健在。

 他に、中国はアジア選手権優勝のシェン・チアンとは別の選手が出てくるようだが、実力は? アジア選手権3位のラビンダー・シン(インド)は、10月のコモンウエルス大会優勝と乗っている。強豪の多い階級だ。

 
《エントリー選手》
KEBISPAYEV Almat(カザフスタン、12/12/1987)=2010年世界選手権3位
  《控えエントリー》TENGIZBAYEV Nurbakyt(10/04/1983)=2009年世界選手権3位
JUNG Jihyun(韓国、26/03/1983)=2004年アテネ五輪優勝、2010年世界選手権3位
TYUMENBAEV Ruslan(キルギス、28/05/1986)=2008年北京五輪3位、2010年世界選手権7位
NOROOZI Omid(イラン、18/02/1986)=2010年W杯個人優勝、2010年世界選手権9位
ARIPOV Dilshod(ウズベキスタン、20/05/1977)=2001年世界選手権58kg級優勝、2009年世界選手権2位
SINGH Ravinder(インド、01/01/1981)=2010年アジア選手権3位
XIE Zhen(中国、26/09/1984)
RI Kwang Il(北朝鮮、02/01/1986)
BEKOV Farrukh(タジギスタン、27/11/1988)
Orazahatov, Agamurat(トルクメニスタン、30/03/1988)
TA NGOC Tan(ベトナム、25/07/1985)
松本隆太郎(日本、16/01/1986)=2010年世界選手権2位
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事アジア大会前記事



 
【66kg級】=11月21日実施

 2008年北京五輪2位のカナトベク・ベガリエフ(キルギス右写真)、今年のアジア選手権優勝で世界選手権8位のキム・ヘイオンウ(韓国)、今年のワールドカップ個人優勝のサエイド・アブドバリ(イラン)、2009年アジア選手権のダルカン・バヤクメトフ(カザフスタン)らが先頭集団を形成。だれが優勝してもおかしくない状況。ただ、ベガリエフは五輪後、調子が出ないもようで、今年の世界選手権は初戦敗退だった。

 昨年世界8位の藤村義(自衛隊)を含め、優勝争いはこの5選手に絞られるか。

 《エントリー選手》
BEGALIEV Kanatbek(キルギス、14/02/1984)=2008年北京五輪2位
KIM Hyeonwoo(韓国、06/11/1988)=2010年アジア選手権優勝、2010年世界選手権8位
ABDVALI Saeid(イラン、04/11/1989)=2010年W杯個人優勝
BAYAKHMETOV Darkhan(カザフスタン、21/08/1985)=2009年アジア選手権優勝
  《控えエントリー》YENSEKHANOV Aibek(23/03/1988)=2010年アジア選手権2位
POGUDIN Vladimir(ウズベキスタン、13/06/1984)
  《控えエントリー》SALDADZE Besiki(09/03/1990)=2010年世界ジュニア選手権2位
ZHENG Pan(中国、15/08/1985)
RANA Sunilkumar(インド、10/04/1983)=2010年アジア選手権3位
SHYAA Hussein(イラク、28/03/1983)
AL NAEMI Ali (カタール、16/12/1988)
ALNAKADLI Mostafa(シリア、01/01/1988)
KADYROV Akhmad(タジギスタン、21/11/1988)
OOMCHOMPOO Sutep(タイ、02/04/1991)
KADYROV Yazgeldy(トルクメニスタン、15/03/1990)
藤村義(日本、28/03/1982)=2009年世界選手権8位
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事



 
【74kg級】=11月22日実施

 今年の世界選手権3位のダニヤル・コボノフ(キルギス右写真)を昨年の世界選手権3位のファルシャド・アリザデフ・カレケシュ(イラン)が追う展開。

 今年のアジア選手権優勝のパク・ジンスン(韓国)、2008年北京五輪2位のチャン・ヨンシアン(中国)、今年の世界選手権7位のロマン・メリョシン(カザフスタン)、昨年の世界ジュニア選手権優勝のアジズベク・ムロドフ(ウズベキスタン)らも優勝争いへ割って入れるか。

 2009年アジア選手権3位で、昨年の世界選手権では北京五輪王者を破った鶴巻宰(自衛隊)も、この間に割って入らねばなるまい。

 《エントリー選手》
KOBONOV Daniyar(キルギス、08/09/1982)=2007年アジア選手権優勝、2010年世界選手権3位
ALIZADEH KALEHKESH Farshad(イラン、09/06/1985)=2009年アジア選手権優勝、2009年世界選手権3位
PARK Jinsung(韓国、04/07/1985)=2010年アジア選手権優勝
CHANG Yongxiang(中国、16/09/1983)=2008年アジア選手権優勝、2008年北京五輪2位
MELYOSHIN Roman(カザフスタン、23/06/1983)=2008年北京五輪8位、2010年世界選手権7位
SANJAY Sanjay(インド、31/12/1983)=2010年アジア選手権5位
MURODOV Azizbek(ウズベキスタン、13/07/1990)=2009年世界ジュニア選手権優勝、
RI Chol Hak(北朝鮮、06/08/1984)
BADR Bakhit(カタール、05/06/1987)
ALNAKDALI Musaab(シリア、21/02/1990)
KARIMOV Daler(タジギスタン、19/06/1988)
ESENOV Kiyas(トルクメニスタン、11/11/1992)
鶴巻宰(日本、19/05/1984)=2009年アジア選手権3位
 ⇒ プロフィールアジア大会前記事



 
【84kg級】=11月22日実施

 ずば抜けた本命はいない階級。今年のアジア選手権優勝・世界ジュニア選手権2位のリー・セイェオル(韓国右写真)、昨年のアジア選手権優勝のタレビ・ネマトポウアー(イラン)。2008年北京五輪5位のマ・サンイ(中国)などが優勝を争うか。リーの若さ、昨年世界3位の選手を退けてのイラン代表になったネマトポウアー、地元のマ・サンイのだれもが優勝のパワーがありそう。

 他に、今年の世界選手権7位のアルカズール・アズディエフ(カザフスタン)、同アジア選手権2位の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)、アジア選手権3位のヤナルベク・ケンジエフ(キルギス)らにも優勝の可能性は十分にあるだろう。

 《エントリー選手》
LEE Seyeol(韓国、15/10/1990)=2010年アジア選手権優勝、2010年世界ジュニア選手権2位
NEMATPOUR Taleb(イラン、19/09/1984)=2009年アジア選手権優勝
MA Sanyi(中国、07/12/1982)=2008年北京五輪5位
OZDIEV Alkhazur(カザフスタン、20/03/1988)=2010年世界選手権7位
KUMAR Manoj(インド、08/03/1985)=2010年アジア選手権5位
MUMINOV Jakhongir(ウズベキスタン、07/02/1987)=2009年世界選手権74kg級9位、2010年アジア選手権7位
KENJEEV Janarbek(キルギス、05/08/1985)=2010年アジア選手権3位
AWARKE Ali(レバノン、10/11/1977)
KHAN Jafar(カタール、06/04/1987)
OUDEH Nezar(シリア、10/08/1988)
ESENOV Ylyas(トルクメニスタン、12/04/1990)
斎川哲克(日本、11/03/1986)=2010年アジア選手権2位
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事



 
【96kg級】=11月22日実施

 世界チャンピオンはイランのアミール・アリアクバーだが、同選手は120kg級へ出場。同国からは今年のアジア選手権優勝のババク・ゴルバニ(右写真)が出場する。世界王者をしのぐ実力者か。

 アジア選手権2位のザイ・ニンチャオ(中国)、同3位のマルグラン・アッセンベコフ(カザフスタン)、昨年の世界選手権5位のダビッド・サルダーゼ(ウズベキスタン)らが、イランのが城にどこまで食いつけるか。

 2009年アジア選手権3位のアニル・クマール(インド)、2009年世界選手権8位のアン・チャンクン(韓国)あたりも上位を狙う。世界選手権で北京五輪2位をしのぐ闘いを演じた北村克哉(ドン・キホーテ)がどこまで食いつけるか。

 《エントリー選手》
GHORBANI GOLDASTEH Babak(イラン、19/03/1989)=2010年アジア選手権優勝
ZHAI Ningchao(中国、27/07/1987)=2010年アジア選手権2位
ASSEMBEKOV Margulan(カザフスタン、13/12/1983)=2010年アジア選手権3位
  《控えエントリー》MAMBETOV Asset(10/06/1982)=2008年北京五輪3位
SALDADZE David(ウズベキスタン、15/02/1978)=2009年世界選手権5位
KUMAR Anil (インド、01/03/1979)=2009年アジア選手権3位 →データベースではこの選手も同一人物
ABUTABEEKH Yahia(ヨルダン、09/10/1980)=2009年アジア選手権3位
AN Changgun(韓国、29/06/1986)=2009年世界選手権8位
ERKINBAEV Azamat(キルギス、09/05/1986)
ABDULLOEV Khabibul..(タジギスタン、20/07/1981)
SAPARMAMEDOV Arslan(トルクメニスタン、04/10/1991)
北村克哉(日本、14/12/1985)
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事



 
【120kg級】=11月23日実施

 今年の世界選手権3位のヌルマカン・チナリエフ(カザフスタン=
右写真)が優勝候補の最右翼だろう。96kg級で2009年世界選手権3位、2010年世界選手権優勝のアミール・アリアクバー(イラン)が階級アップの壁を乗り越えて栄冠を勝ち取るか。

 総合格闘技入りもうわさされた今年のアジア選手権3位のリウ・デリ(中国)が地元大会を飾れるか。アジア選手権3位のムロジョン・ツイチエフ(タジギスタン)、前回のアジア大会優勝のキム・グォンセオク(韓国)らとともに、2008年アジア選手権3位の新庄寛和(自衛隊)にも上位入賞の期待がかかる。

 《エントリー選手》
TINALIEV Nurmakhan(カザフスタン、10/01/1988)=2010年世界選手権3位
ALIAKBARI Amir(イラン、11/12/1987)=2009年世界選手権96kg級3位、2010年世界選手権96kg級優勝
LIU Deli(中国、01/01/1980)=2008年北京五輪9位、2010年アジア選手権3位
KIM Gwangseok(韓国、06/10/1977)=2006年アジア大会優勝
TUICHIEV Murodjon(タジギスタン、17/04/1982)=2010年アジア選手権3位
FARNIEV Soslan(ウズベキスタン、25/04/1988)=2007年世界ジュニア選手権優勝(当時ロシア)
RAMONOV Murat(キルギス、21/07/1990)=2010年アジア・ジュニア選手権優勝
DALAL Dharmender(インド、30/09/1984)
SALMAN Ali(イラク、15/12/1981)
MARAFI Hani(ヨルダン、20/07/1981)=2010年アジア選手権2位の選手と思われる
AOUN Hadi(レバノン、08/11/1986)
新庄寛和(日本、11/10/1982)=2008年アジア選手権3位
 ⇒ プロフィール世界選手権前記事世界選手権記事

 

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