世界学生王者の内村勇太(拓大)と石田智嗣(早大)が帰国
【2010年10月30日】



 10月26日からイタリア・トリノで行われた世界学生選手権へ出場した男子フリースタイルのチームが29日、成田着のルフトハンザ航空で帰国した。

 同スタイルは60kg級の内村勇太(拓大)と66kg級の石田智嗣(早大)の2人が優勝。石田は昨年夏の全日本学生選手権を66kg級で制したことで選ばれたもので、現在は60kg級で闘っている。すなわち、日本で最高にハイレベルの激戦が展開されている階級の2人が、学生世界一の勲章を持ち帰ったことになる。同級がさらに熱く燃えそうだ
(右写真:内村=左=と石田)

 60kg級の内村は「うれしかった。日本の軽量級はレベルが高いので勝たなくてはいけないという気でやりました」と、満足そうに試合を振り返り、「今後も強気を忘れずに闘いたい」と話した。

 来春の卒業後は、レスリングをバックアップしている企業への就職が内定している。完全な“プロ選手”ではないため、仕事中心の生活となりそう。「真剣に取り組めるのは、あと2大会かな(全日本大学選手権、全日本選手権)。集大成となるので、どちらも優勝して有終の美を飾るつもりでがんばります」と気合を入れた。

 66kg級の石田は「全日本合宿や所属で世界レベルの先輩方と練習できていたので、その成果が出たと思う。全日本合宿では米満達弘選手(自衛隊)、小島豪臣選手(K−POWERS)、大学の先輩である佐藤吏選手(ALSOK)とのスパーリングをこなすことによって、海外の選手のパワーのあるレスリングに対応できました」と、周囲に引き上げられての優勝と振り返った。

 反省点もある。「見合ったわけではないけど、最初の1分でポイントを取りにいけたらなあ、というのがあります。グラウンドの攻撃がすごく弱くて、追加点が取れませんでした」と話し、今後の最重要課題となりそう。60kg級へ下げたのは、世界で勝つため。当然、全日本選手権では優勝が目標。「世界選手権やロンドン五輪につなげていけたら、と思う。いい環境で練習できている。それを作ってくれるチームメートや指導者に恩返ししたい」と話した。

(取材・撮影=保高幸子)

 

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