2010年世界選手権 男子フリースタイル展望


55kg級 60kg級 66kg級 74kg級 84kg級 96kg級 120kg級


 【55kg級】
 昨年の世界チャンピオンは2008年北京五輪12位だったヤン・キョンイル(北朝鮮=23歳右写真)。今年のアジア選手権は湯元進一に敗れ3位に終わった。絶対的な強さはないか? 同2位のセザー・アクグエル(トルコ=22歳)も今年の欧州選手権は8位に終わっており、抜群の強さではない。

 昨年3位のビクトル・レベデフ(ロシア=22歳)は、今年の欧州選手権3位と比較的安定している。もう一人の3位のリズバン・ガジエフ(ベラルーシ=23歳)、2006年世界一で今年の欧州選手権2位のラドスラフ・ベリコフ(ブルガリア=27歳)とともに、メダル圏内の実力は十分。

 欧州チャンピオンのアゼルバイジャン選手は国籍規定に違反していることが判明し、今大会は出場停止との情報がある。同国からは今年世界ジュニア選手権2位のトグラル・アスガロフが出てくる。

 北京五輪9位で2009年アジア選手権優勝のキム・ヒョサブ(韓国=29歳)はベテランの強さを見せるか。逆に、パンアメリカン王者のフランク・チャミゾ・マーキエス(キューバ=18歳)は伸び盛りの強さが予想される。

2006−10年主要国際大会成績(pdfファイル)




 【60kg級】
 2007年に55kg級で世界一に輝いたベシク・クドゥコフ(ロシア=24歳右写真)が昨年の世界選手権で優勝。今年の欧州選手権でも3戦全勝と強さを見せた(ただし個人順位は2位)。優勝候補の筆頭と言えるだろう。

 北京五輪2位、昨年3位のバシル・フェドリシン(ウクライナ=29歳)は、今年も「ヤリギン国際大会」優勝、欧州選手権3位、ゴールデンGP決勝大会優勝と好調。メダル争いにはからんでくるだろう。

 イランは2006年世界王者で北京五輪3位、昨年5位のセイェド・モハマディ(イラン=30歳)ではなく、今年のゴールデンGP決勝大会3位のアーマダリ・アーマディ・ザリンコラエイが出てくる。

 昨年2位のゼリムカン・フセイノフ(アゼルバイジャン=29歳)、同3位のディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン=26歳)は、今年は目立った活躍はない。巻き返しなるか?

 米国代表に返り咲いた2006年世界2位のマイク・ザディク(31歳)は、どこまで世界での実力をキープしているか?


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 【66kg級】
 メフディ・タガビ・ケルマニ(イラン=23歳右写真)が昨年、ワールドカップ個人、アジア選手権、世界選手権と優勝している。今年も優勝争いの筆頭と考えられる。

 アジアからは、他に北京五輪3位で、今年のアジア選手権で優勝したスシル・クマール(インド=27歳)、昨年世界3位の米満達弘(日本=24歳)と強豪がそろっている。カザフスタンは北京五輪5位で昨年世界3位のレオニド・スピリドノフ(カザフスタン=29歳)ではなく、若手が出場。どこまでやるか?

 昨年の世界ジュニア王者で世界7位のヤブライル・ハサノフ(アゼルバイジャン=20歳)は、今年、欧州選手権とゴールデンGP決勝を連覇。実力を伸ばしている。北京五輪3位のオター・ツシシビリ(グルジア=32歳)も、上位を狙う力はあるだろう。北京五輪2位で昨年の欧州王者のアンドレイ・スタドニク(ウクライナ=28歳)は控えエントリーで、同国からはオレクシー・メルニクが出てくる。

 2007年世界2位、北京五輪5位で、2007年からパンアメリカン大会・選手権を勝ち続けているヘアンドリ・ハルゾン・カバレロ(キューバ=26歳)も優勝戦線に入ってくるか。

 ロシア代表は若手のアラン・ゴガエフで、国際大会では実績がない選手。2007年世界選手権と北京五輪を連覇したラマザン・シャヒン(トルコ=27歳)は、その後も大会出場はしているが上位入賞はない。実力は?


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 【74kg級】
 昨年世界王者のデニス・チャーグシュ(ロシア=23歳右写真)は、今年の欧州選手権でも優勝し安定している。今回も優勝候補の最右翼となるだろう。昨年2位のチャムサルバラ・チャムサルバラエフ(アゼルバイジャン=26歳)は欧州選手権3位、ゴールデンGP決勝大会3位と上位に顔を出している。

 北京五輪3位で昨年世界5位のムラド・ガイダロフ(ベラルーシ=30歳)は、今年ワールドカップで個人優勝と実力をキープしているが、同国からはアリアクサンドル・マトイルが出てくる。北京五輪3位のキリル・テルジエフ(ブルガリア=27歳)は欧州選手権2位。メダル争いに加わる力はあるだろう。

 昨年世界3位のサデ・グダージ(イラン=22歳)は、もう一段上へ上がれるか? 

 北京五輪2位で昨年のゴールデンGP決勝大会優勝のソスラン・ティギエフ(ウズベキスタン=26歳)、昨年世界3位のラメシュ・クマール(インド=28歳)はともに不出場。アジア大会専念か?

 2007年世界3位で、北京五輪5位のイワン・フンドラ・ザルディバー(キューバ=34歳)は今年、8度目のパンアメリカンの王者に輝いた。今年こそ世界一なるか?

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 【84kg級】
 世界王者のザウルベク・ソキエフ(ウズベキスタン=24歳右写真)、世界2位のジェイコブ・ハーバート(米国=25歳)、世界3位のイブラギム・アルダトフ(ウクライナ=26歳)、2009年欧州王者のソスラン・クツォエフ(ロシア=27歳)あたりが優勝を争いそう。

 2年連続パンアメリカン王者のレイネリ・サラス・ペレス(キューバ=23歳)、2年連続アジア王者のエフサン・ラシュガリ(イラン=25歳)らがどこまで食い込むか。

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 【96kg級】

 2004年のアテネ五輪以来、6年連続でロシアが世界一に君臨している階級。そのロシアの代表争いが最後までもつれたが、6年のうち5度制しているハジムラド・ガチャロフ(27歳右写真)に決定。優勝候補の最右翼。

 2008年北京五輪3位で昨年欧州王者&世界2位、今年も欧州選手権とゴールデンGP決勝大会で勝っているケタグ・ガズモフ(アゼルバイジャン=27歳)、昨年世界3位で今年欧州3位のセルハト・バルシ(トルコ=28歳)、北京五輪と昨年世界3位で今年欧州2位のゲオルギ・ゴグシェリーゼ(グルジア=30歳)がどう挑むか。

 今年のアジア選手権優勝のアリ・ヤズダニ(イラン)、4年連続パンアメリカン王者のマイケル・バティスタ(キューバ=26歳)らが欧州勢の独占を阻止するか?


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 【120kg級】
 昨年の世界王者のベイラル・マコフ(ロシア=22歳、
右写真)が、今年の欧州選手権でも優勝し実力をキープ。昨年世界2位&アジア王者のファーディン・マスミ(イラン=32歳)、今年欧州2位でゴールデンGP決勝大会優勝のファティ・カキログル(トルコ=29歳)が、その牙城を崩すことができるか。

 2004アテネ五輪・2008北京五輪優勝で、その後、休養していたアーチュール・タイマゾフ(ウズベキスタン=31歳)が、五輪3連覇を目指して復帰参戦。一気に優勝争いに加わることができるか。

 北京五輪3位で今年のアジア選手権優勝のマリド・ムタリモフ(カザフスタン=30歳)、昨年世界3位のイオアニス・アーゾウマニディス(ギリシャ=23歳)らは、どこまで上位に食い込めるか?

 米国は昨年世界3位の選手ではなく新人のレス・シグマン(29歳)が出てくる。全米大学の血ビジョンU(二部リーグ)出身の選手。昨年を上回る成績を残すことができるか。


2006−10年主要国際大会成績(pdfファイル)


 

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